岩舟付近のシームレス地質図を観ると、岩舟山は新生代新第三紀中新世の安山岩・玄武岩質安山岩溶岩・火砕岩と書かれている。この「火砕岩」がいわゆる「岩舟石」で、岩舟地区だけでは無く両毛線沿いに数か所その地質が分布し、岩舟山の北側は主にチャートが分布する。安山岩や玄武岩質溶岩は国道50号を挟んで立ち入り禁止の水道山(78.3m)とその北の小丘に分布し、50号の盛土用に使われた様だ。
水道山の西側に標高 93.7 mの「富士山」が、周辺に採掘跡がほぼ無い状態で存在し、山頂に浅間神社が建立されている。地質図では形成年代は同じだが、「海成層 礫岩」とある。薄緑色は段丘堆積物とされており、小丘の中にはチャートの露頭も見えたりする。
鳥居は新しいが、この神社には岩舟石製の鳥居が収められた記録が有り、既に更新・改修されたのか、山頂に別のものがあるのか気になる。地図では階段が真っ直ぐ山頂まで続いているが、実際は曲がりくねった細い山道のようだ。
階段は、自然石を削り取って足場を作って居る。雨後の湿った階段にはステンレスの手摺りが強く大助かりだ。
地山の所々に、まるで切石を積んだような節理を示すものも有る。周辺との関係性が判らないが、切石ならこんな変な角度(断面がひし形になている)には加工しない。なにか方向性をもった部分があるようだ。東の東武線に近い熊鷹神社で観た石材が頭を掠める。
山頂の神社の周りも露岩が見える。最高地点も露頭だ。神社の基礎・基壇には地石が使われている。
基礎・基壇の石材表面。間知石の形には加工されず、転石をそのまま使っている雰囲気だ。右上方向に走る筋目が観察される。
露頭の表面には所々に白さが異なる岩片が観察される。軽石が押し潰されたと云う雰囲気だ。黒い部分は蘚苔類が着生している。
別の地点では小さな礫混りや、前図同様の白い岩片が観察される。
神社の礎石の中に、筋状の模様が横に走るものが観察される。熊鷹神社付近で散見された岩塊は。この山から運ばれたか、同じ地質が続いている可能性が疑われる。
小さな転石の表面を観ると細粒の黒い岩片が混じっている。ピンク色は私の左手人差し指の第一関節までだから約 3 cm
ややピンボケだが、これも横方向の筋目が見える。堆積時のものか?
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