間瀬海岸と言えば、枕状溶岩の聖地のような場所で多くの方々が巡検や、沸石類の鉱物採集で音連れているらしい。何度かその旅を計画したのだが、その度に台風だとか集中豪雨だとかで中止を余儀なくされていた。今度の旅では、この間瀬海岸で「枕状溶岩」を外しても確認したい露頭があったのだが、それが「白岩海岸」を中心として北は「花立」から南は「獅子ヶ鼻」まで続く白色岩の続く海岸だった。実はどうやら間違った情報だったらしいのだが、この白い岩が「石灰質」に富んだ凝灰岩だと云う情報を随分昔に仕入れていた。
でも、流紋岩質の美しい露頭を観察する事が出来たし、斜長石の大きく( 2.5 mm )実に透明度の高い結晶が流紋岩質の岩石中に含まれる事があるのを知る事が出来た。
今日は、出勤途中に国会図書館に立ち寄り、「1/20 万 新潟県地質図」を確認して、「斜長石英粗面岩」と言う岩石だと知った次第。予想通り、1/20万では細かな分布は判らない。「新潟県地質鉱産誌:1962」も拝見したが、何れも間瀬海岸の石灰岩なんて記述は見られなかった。とんだガセネタだったが、面白いものを見る事が出来た。
石灰岩の露頭だとばかり思いこんで「花立」の岬を訪ねたのだが、何だか風化の具合が石灰岩らしくない。石灰岩の露頭は、北九州と山口で青春を送ったのでかなり見慣れている積り。
岬から南を見ると「白岩」が見える。「白岩」とはいうものの、下部は緑色凝灰岩。この岬の画像は別稿。
硬い!軽くハンマーで小突いてみたが石灰岩の硬さでは無い。傷も付かない。流紋岩質としか思えない
流理に直角の断面があった。絶対に!石灰岩じゃないと確信がもてた
蘚苔類が表面を覆っていたが浮き石を一個拾わせて頂いた。蘚苔類を剥ぎ取るのは大変だろうと思いながら・・・私の観察用途に、夏場は観光客も訪れるだろう露頭でハンマーを振るう程野暮じゃない。
側面。
流理模様。濃淡の白と灰色の層が積み重なっている。これは洗浄直後のまだ湿った状態での実体顕微鏡の画像。
幾つか文献を当たったが「斜長石英粗面岩」だとしてもこんなに大きな斜長石の斑晶は珍しい様に思える 長さは 2.5 mm 程もある。
斜長石の透明度が余りにも高かったので、視野一杯に広がった斜長石の結晶を観た時は、あれだけ束子でごしごし擦ったのに、結晶が抜けた後にクモの巣でも張られたのかと思うほどで、地質仲間と大笑いしてしまった。待てよ、「透石膏」なんて可能性は無いだろうか?最初に観た時に、蜘蛛の巣が張った様に見えたのが少々気になるので、金曜日に博物館でもう一度観察してみよう!
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