2018年11月18日日曜日

安房勝山の房州石と堤ヶ谷石 (1) 加知山神社の桜目の房州石

11月17日は、浜金谷で「第10回金谷・石のまちシンポジューム:鋸山・房州石」が午後から開催された。会場では私は千葉県立中央博物館の展示「房総丘陵はすごい」の宣伝(房総半島の凝灰岩質石材が5点ほど展示されている)と、博物館でも細々とながら房総半島の石切り遺構や石材の利用状況を調査していますと云う「言い訳」をさせて頂いただけだが
午前8時半から鋸山の南にある安房勝山から鋸南町を歩き始め、加知山神社の美しい房州石の玉垣や、地元産出のこれも凝灰質の「堤ヶ谷」石の使用状況を観察し情報を仕入れたので少し画像を御案内します。
加知山神社

昭和54年(1979)に、房州石の中でも特に美しいピンクの凝灰質が混じるものを使って玉垣を造られている。石工は地元の小高英夫さん私より四歳上の昭和16年生まれ。一部の控壁などの造作を除き、ビシャンなどの工程は手作業で行われたとお聞きした。石材納入は今年六月に永眠された「房州石最後の石切り職人」と言われた「芳家石材」の「鈴木士朗」氏で93歳でした。



日陰と日当たりで雰囲気は大きく異なってしまいます



横に積まれた下二段には房州石では珍しい「こぶだし」と云う技法が用いられて荒ぶる海の気配。

柱の部分の内部には穴が明けられて倒壊防止の鉄筋が仕込まれています。所々ピンク色を呈した凝灰質の塊が見えます。之が入っている石材は結構丈夫だと言われ「桜目」と言われます。スケールは 17 cm 。



拝殿の礎石にも房州石が使われています。表面の加工目が未だ綺麗に残っています。

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