2018年7月14日土曜日

GVP 火山活動情報の概要:7月4日⇒10日;17火山+国内3火山の火山活動解説資料の御案内


GVPの火山活動情報の概要と,気象庁が713日に公表した西之島,十勝岳,霧島山系硫黄山の火山活動解説資料の御案内です。
New Activity/Unrest
Agung  | Bali (Indonesia)  | 264020 | Elevation 2997 m
この間も“Agung”火山での活動は継続しており、亜硫酸ガスの噴出量は73日には日量:1,400-2,400トン、4日には 4001,500トンで推移しています。4日に得られた衛星画像では火口からの溶岩流出は続いており、これまでに 4-5 百万立方メートルに達している模様です。1220時には火山灰を含む噴煙が火口縁の上空 2.5 km に達しました。2216時にも噴火が観測されましたが視界不良の為、噴煙は確認出来ませんでした。5日の0047時には火山灰を含む噴煙が少なくとも 1 km 上昇し、1633時の噴火では同様に火山灰を含む噴煙が 2.8 km 上昇しました。6日には小規模な噴火が観測され、8日の0522時には三度目のストロンボリ式噴火が観測され、火山灰を含む噴煙が 2 km 上昇しました。54ヶ所の避難所に4,415名が避難しています。91120時に火口から火山灰を含む噴煙が上昇しました。警戒レベルは“1-4”段階の“3”で、半径 4 km 以内には立ち入り禁止です。

Ambae  | Vanuatu  | 257030 | Elevation 1496 m
Ambaes Lake Voui火山の最近の噴火は三期に分析されています。“Phase 1”:2017年の9月から11月末。“Phase 2”:2017年の11月末から20182月上旬。そして“Phase 3”:2018年の2月から4月までです。“Phase 4”は620日に始まり、火山ガスと水蒸気に時折火山灰を交えながら噴火し、71日には島の西部等に降灰をもたらしました。警戒レベルは“0-5”段階の“2”で、火口から半径 2 km 以内には立ち入り禁止です。

Ibu  | Halmahera (Indonesia)  | 268030 | Elevation 1325 m
76日に火山灰を含む噴煙が高度 2.1 km まで上昇しました。警戒レベルは“1-4”段階の“2”で、北側の 3.5 km 以内と半径 2 km 以内には立ち入り禁止です。

Karangetang  | Siau Island (Indonesia)  | 267020 | Elevation 1797 m
74日に火山灰を含む噴煙が高度 3 km に達しました。警戒レベルは“1-4”段階の“2

Krakatau  | Indonesia  | 262000 | Elevation 813 m
74-5日に、4回の火山灰を含む噴火活動が在り、少なくとも30秒から41秒継続しました。天候が悪く、4日の0522時の噴煙の到達高さは不明ですが、5日の140914251651時の噴火では火口縁から 300-500 m 上昇しました。警戒レベルは“1-4”段階の“2”で、火口から半径 1 km 以内には立ち入り禁止です。

Saunders  | South Sandwich Islands (UK)  | 390090 | Elevation 843 m
11日から79日までの間、“Saunders Island”の“Michael”火山から月に数回の頻度で噴煙が上昇しました熱異常が観測されたのは43日が最後です。⇒GVPのこの火山に関するサイトは下記ですが、画像は殆ど有りません。前回は201510月に噴火が記録されています。

Sierra Negra  | Isla Isabela (Ecuador)  | 353050 | Elevation 1124 m
74日の1830時に発生した M5.2 の地震とその後の M1.1からM3.9 68回の地震により新しいマグマの貫入が観測され、771700時からカルデラの北東側で火山性微動が観測され始めました。同時に衛星画像により北西側山腹での熱異常が強まりました。海岸に近い場所で強い火映が観測されている事を国立公園のスタッフが確認しました。弱い水蒸気と火山灰を含む噴煙が高度 33 km に達しました。78日まで火山性微動が観測されその後、強さが徐々に低下しました。水蒸気に火山灰の混じる噴煙が高度 2 km に達し、熱異常は強いままに変化していません。報道に拠れば今回の噴火は626日に始まり観光客の立入が禁止され地元民の50名が避難思案した。

Ongoing Activity

Aira 桜島 | Kyushu (Japan)  | 280080 | Elevation 1117 m
72-9日の間に2回の噴火と3回の爆発が南岳火口で生じ、火山灰を含む噴煙が火口縁の上空 1.3 km まで上昇し、噴石は 1.1 km まで飛散しました。夜間には火映が観測されました。

Cleveland  | Chuginadak Island (USA)  | 311240 | Elevation 1730 m
特段の活動は観測されていませんが、噴火の懸念は消えていません。火口付近はしばしば気象条件により遠望出来ません。衛星画像では77日、9-10日に弱い熱異常が観測されています。7日には小規模の水蒸気の噴煙が観測されています。航空カラーコードは「オレンジ」

Dukono  | Halmahera (Indonesia)  | 268010 | Elevation 1229 m
74-10日の間火山灰を含む噴煙が高度 1.5-2.1 km に達しました。

Ebeko  | Paramushir Island (Russia)  | 290380  | Elevation 1103 m
630日から71日の間、複数回の噴火により火山灰を含む噴煙が高度 3.2 km に達しました。航空カラーコードは「オレンジ」

Fuego  | Guatemala  | 342090 | Elevation 3763 m
74-9日の間は、主に火山ガスの噴出と山腹での岩屑雪崩が発生していました。7-8日には2時間に1回の頻度で爆発が発生し、火山灰を含む噴煙が火口縁の上空 500 m まで上昇しました。岩屑雪崩は Seca (W), Cenizas (SSW), and Las Lajas (SE) drainages峡谷を下り、ラハールは今の処、 El Jute (SE), Las Lajas, Cenizas, Taniluyá (SW), Seca, Mineral, and Pantaleón (W) drainages峡谷を下っています。10日に地震活動が活発化し、爆発により生じた火山灰を含む噴煙が 2.3 km 上昇しMorelia (9 km SW) and Panimaché (8 km SW)に降灰をもたらしました。74日の報告ではこれまでに犠牲となった方々は113名、行方不明者が332名です。

Kilauea  | Hawaiian Islands (USA)  | 332010 | Elevation 1222 m
⇒活動に大きな変化は無く相変わらず海岸線を変え続けています。“Fissure 8”からの溶岩噴泉とスパッターの発生は続き、“Fissure 22”でのスパッターの発生継続により、火砕丘の上空 5080 m まで噴き上げ、短い溶岩流も流れ続けています。山頂火口での内部への地すべり陥没はほぼ連日発生しており、その度に火山ガスに少量の火山灰が混じる噴煙を上げています。“Fissure 8”からの溶岩噴泉は高さ 55 m まで成長した火砕丘よりも高く吹き上げています。ペレーの毛髪やその他の火山ガラスが“ Leilani Estates”に降り積もっています。溶岩噴泉からは変わらず溶岩流を流し続けており、時折、流域に溢れ出す事も有りますが、大きな流れとなる事はありません。76日に公表された熱画像では、溶岩流の主要部は海洋に流れ込むことなく、内陸側 2 km 付近の開かれた流路に流れており、海洋へは北側に広がった先端部分から海に流れ込んでいます。
⇒連日大量の画像や動画がUPされていますので下記をご覧ください。
 
Pacaya  | Guatemala  | 342110 | Elevation 2569 m
75-10日の間ストロンボリ式噴火が続き、噴石は火口縁の上空 30 m に達しています。“Mackenney火口からの溶岩流は77-8日に北側山腹を 500 m 下りました。

Sabancaya  | Peru  | 354006 | Elevation 5960 m
72-8日の間、連日平均22回の爆発的噴火が発生しました。ハイブリッド地震は小規模なものが稀に発生しています。火山ガスと火山灰を含む噴煙が火口縁の上空 2.5 km に達しました。また、熱異常も73日に9回観測されました。亜硫酸ガスの噴出量は日量で 4,715 トンで、火口から半径 12 km 以内は立ち入り禁止です。
⇒ペルーでは、“Misti”火山も噴火を始めましたので、次週には情報が掲載されると思われます。
 
Santa Maria  | Guatemala  | 342030 | Elevation 3745 m
75-10日の間溶岩ドーム複合体で爆発が起こり、火山灰を含む噴煙が 200-700 m 上昇し、溶岩ドームの南東側と西側山腹で岩屑雪崩が発生しました。

Sheveluch  | Central Kamchatka (Russia)  | 300270 | Elevation 3283 m
74-5日に弱い熱異常が観測されており航空カラーコードは「オレンジ」が維持されています。

以下の4件の火山の火山活動解説資料が713日に相次いで公表されていますので併せて御案内します。西之島についてはこれまでに712日公表分までは御案内済です。
西之島:132300時公表
西ノ島:131000時公表
霧島山系硫黄山:131630時公表
十勝岳:131600時公表
気象庁の火山監視カメラと諸外国のライブカメラの画像の一部
“Turrialba”:7月7日1921時
“Maskushin”の6月12日画像;AVOのサイトから


諏訪之瀬島7月13日の噴煙

霧島山系新燃岳
霧島山系硫黄山
大雪山
以上

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