表題に「猿橋」を歌ったのですから岩石には関係ないけれど猿橋も御紹介しておきましょう。猿橋は、此処で基盤岩の安山岩質火砕岩が露出し、桂川がその流路を非常に狭くされた為に掛ける事が出来た訳ですから満更地質に無関係という訳でもありません。右岸側に観察路が在り、側面から観察し易くなっています。
現在は猿橋も「永久橋」として建設されていますが、本来の猿橋は、材木の耐用年数が短く、殆ど20年を経ない内に架け替えを余儀なくされて来た歴史があります。構成部材に屋根掛けしているのは、材木の耐用年数を少しでも伸ばそうとするものです。
下の画像は、奈良の法隆寺五重塔の一部ですが、支点を前方に張り出そうとする思想は、屋根を張り出す為に採られているこの様な構造に似ているように思います。
此の張り出しの構造は右岸・左岸共に基盤岩を掘り込んで角材を差し込み、その上の石材の重量で支えているようです。橋が架かっている場所の地盤強度があるからこそ採用できる工法です。
橋の上の面はゆるく湾曲していますが、補強の桁材は途中で両方の傾斜を無視して平らに掛けられています。
昔はトラックが橋の上ですれ違う事の出来るほどに幅が広かった様ですが、現在は観光客用に特化されているので、幅は意外と狭くなっています。皆さんが歩く面だけは材料が木材なので時々消耗品として更新されます。
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