境内の灯籠を御案内したので、拝殿の礎石に用いられている伊豆石を御紹介しておきたい。
殆どの参詣者がそんな場所までは観ないだろうと思うのだが、拝殿礎石には鮮やかな緑色凝灰岩と石灰質凝灰質砂礫岩が重ねて用いられている。此処には石灰質凝灰質砂岩が用いれれる事が多く、緑色凝灰岩と併用する様な例は今の処他に観た事が無い。
礎石はまず拝殿回りの回廊の下にあるのです。これは参道を入って来て左側側面です。
金属製の回廊を支える支柱の間を覗くとこんな風景が見えます。
その日の天候により淡い緑に観えたりやや濃い目の青に見えたりかなり色合いは変化します。
緑~淡い青に見える部分は、昔は湯ヶ島層群と呼ばれ、現在は白浜層群の中で、熱水変質を受けた凝灰岩として分類されている地層から切り出されたものですが、残念ながら具体的な石切場は今の処確定するだけの情報が集積されていません。
緑~淡い青色の下の、落ち葉との間に見える部分が、下田付近の石灰質凝灰質砂岩(砂礫岩)の分部です。
この神社には2012年に参詣しているが、その時期には房州石の調査だけをやっていてそれ以外の石材は調査対象では無かったし、殆どが「石蔵」を探していた為に、取り敢えず撮影はしたのですが、下部に砂岩質の石材が使われて居た事までは気付いていませんでした。房総半島の高宕石と、伊豆半島のこの石材との違いがやっと判るようになったので、今回は直ぐに気付きました。下の画像ならば、その砂岩の部分が確認出来るでしょう。
2012年10月の晴れた日に撮影した同じ位置の画像がありましたので御紹介しておきます。やはり色合いが違いますね。
正面側からは礎石を観察出来る位置が限られていますが、下記はその一例です。
真ん中の部分を少し拡大して御案内しましょう。細かな岩相の比較も大切です。
房州石の分部は次回にしましょう。
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