2016年1月8日金曜日

南伊豆の淡緑色凝灰質砂岩 二種

先日伊豆比較的南の方の石丁場跡で四個の岩石を採集して来ました。
一種類は下田市内で地質的には凝灰質砂岩、地質図的には白浜層群で、すぐそばには流紋岩類が分布している場所です。もう一つは、同様に地質図的には湯ヶ島層群の凝灰質砂岩と軽石凝灰岩の分布の丁度境目付近で採集して来たものです。まずその採集して来た状態の画像をご覧頂きましょう。





ハンマーで割った状態では少し色合いが異なりますが、似たようなものなので、うっかりすると取り違えてしまいそうな雰囲気です。このままでは観察し難いので、私の場合は出来るだけ平らな面を探して少なくとも1面だけを平に研磨します。最終的には#1000くらいの研磨材が、あとの観察の際に楽なようです。
一応研磨後には超音波洗浄を丁寧にして実施しています。
スケールを入れなかったのですが取り敢えずその画像を見て頂きましょう。画像の順番は上と同じです。




意外と、その違いがはっきりと出てしまいました。
念の為に、この二枚の画像の中から同じ比率で画面を切り取ってみました。意外と違いが良く判るものですね。但し、し板の画像でも左の方に砂質の部分が見えます。凝灰岩ですからね。




薄片を造って偏光顕微鏡で観察すれば鉱物組成も判る事がありますが、これほど小さな粒子では、偏光顕微鏡でも難しいでしょう。まあぞの前に薄片を造るのに、しっかり樹脂で固めても脱落が激しくて造るのが難しいでしょうね。
平らな面を造って、サンプルとデジカメの距離をしっかり押さえて三脚を使用して写すだけでも結構その違いを見分ける事が出来ると言うサンプルです。但し何時も同じように違いが判るとも言えません。

尚、最初の凝灰岩の採集地では転石に流紋岩がありました。平に削ろうとしたら、まずグラインダーの作業で火花が出て簡単に削れません。やっと平らな面を造って#1000まで研磨し、サンプルを歯ブラシで細かなところまで洗浄し、実態顕微鏡で観察すると、沢山の隙間に剣牙状の小さな水晶だらけでした。

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