2015年7月16日木曜日

岩槻の街中の伊豆石 (9) 丹過通り 長谷川邸

丹過通りにあります長谷川家は有名な建物なのだそうです。この店蔵の両端にも伊豆石の石灰岩質砂岩が観察されます、これは表だけでは無く店の奥まで側面にガラス戸を通して観察する事が出来ます。両方共に風化が進み少し表面が剥がれています。出来れば漆喰で保護して頂けると良いのですが、そうすると観察出来ないと言うジレンマがありますね。


 主屋の礎石にも同じ石材が使われています。申し訳ないのですが望遠レンズで撮影させて頂きました。
 この長谷川邸では向って右手に瓦を組み込んだ瓦塀があります。念の為ここに使っている瓦に打たれた刻印を確認してみました。岩槻に瓦を供給した地域の情報は手元には全く無いのですが、一つ興味深いのは、藩校の遷喬館の復原工事の際に記録された瓦の刻印と、ここの瓦の中の刻印が実に良く似ています。周囲を囲む縁取りの切れ方や「喜」の文字の細部も多分同一だと思われます。遷喬館も幾たびか修繕が行われている建物ですが、ある時期に同じ瓦屋から供給された事が判ります。その刻印がこれです。

0 件のコメント: