藤沢市内のJR線の南北に広がった丘陵地帯から採掘された鎌倉石は馬の背に括られて当時は大山詣でで賑わった長後まで運ばれたと資料に記されている。都市化が進んだ地域でどれだけ鎌倉石が残っているか疑問も在ったが機会を得て長後の引地川に沿った丘陵の裾野付近を中心に歩いてみた。果樹の栽培が盛んな様で「豪農」と言えるのではないかと思える蔵を持つ大きな屋敷が多数あったが、大部分は塀も新しく鎌倉石を見い出す事は容易では無かったが、一軒の矢張り果樹園を営むお宅の塀の礎石に鎌倉石が使われていた。長さは50から90cm程度でまちまちだが間違い無く鎌倉石である。
蔵は数多く在るのだが皆波板で囲まれていて土蔵なのか石蔵なのか見定める事は出来なかったが、この置き屋根の例では興味深い事に下図で赤線で囲んだ部分にやや色調が淡いが鎌倉石らしい石材が見える。
置き屋根を凝灰岩質石材を介して土蔵の上に置く事で、火災の際の蔵の傷みは最小限に抑える事が出来るはずだ。あるいは、この蔵は鎌倉石で築かれているのかもしれない。
望遠レンズで観た屋根を支える石材
同じく屋根を支える石材。凝灰岩は花崗岩等に比べて高温に強いのでもし屋根が火災で炎上しても蔵の内部には燃え移らない事を期待しての事と思う。良く火災の際には屋根を落とすと書かれた説明があるがこれは無理ではないだろうか?二つに簡単に割れるなら別だがその様な構造は伺えない。下の画像の右手にリボンの様にねじれた鉄金具(名称をしらないのだが)が見えるがこれは屋根と蔵本体を結合している金具である。チェーンを使った例もある。羽目板は簡単に外せる仕組みがあるが置き屋根は無理だろうとおもう。石材の話が蔵の話になってしまった。
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