2011年9月4日日曜日

桜みかげ・万成石:B-1;竹久夢二詩碑

後楽園から岡山駅に向かうバス停の道路を隔てた反対側にあります。背後にあるのは青桐でしょうか?特徴のある実の形ですね。
詩碑は万成石の「自然石」と言うのでしょうか?切り出したのでは無い、自然のままの外形を生かした石材で出来ています。詩碑の周りを四角く取り囲む部分も万成石で出来ています。万成石は緑の風景と良く調和しますね。
岡山理科大学に“Naturalistae”と言う研究報告書がありますが、2008年版に「岡山市の花崗岩の岩相と丘陵地形の関係」と言う論文が掲載されており、インターネットで表題を入力し検索すると閲覧できます。
http://www.ous.ac.jp/garden/kenkyuhoukoku/12/Naturalistae12-1-8.pdf
3-4頁にこの万成山(矢板山)から京山にかけての地質分布と地域を縦断する地質断面図が掲載されています。
山の上部に広く分布している細粒花崗岩が、下部の粗粒花崗岩を守って「マサ」化するのを防ぎこの丘陵地形が残ったのだそうです。
また、応用地質学会のこれは学術大会の講演予稿集だと思うのですが、下記をコピペして頂くと論文(予稿?)「岡山市西部に分布する白亜紀花崗岩のテクトニック・ノンテクトニック節理群」を閲覧する事が出来ます。
http://www.jseg-chushi.jp/ronnbunn/PDF/PDF18/p1802.pdf
武田石材さんの丁場で観察される節理群の構造が理解し易くなります。
少々長くなりましたが、節理で切り取られ、たまねぎ状風化に似た風化が進行し形成されたいわゆる「自然石」の造形と外周を取り巻く鉄錆様の濃色部は興味深いですね。地域によってはこの濃色部が内部深くまで入り込んでいるものもあるようで、倉敷市内駅前の道路に据えられた万成石製のベンチの一つには半分程度この鉄錆色が入り込んでいました。この画像はこのシリーズの最後の方でご覧頂きます。

2 件のコメント:

万成石男 さんのコメント...

いつもありがとうございます。
万成石の場合は「ヘマタイト」のおかげで、桜御影になるのですね。
他のカリ長石も同じと思ってましたが、違うのですね。
びっくりしました!!
毎日見てますので、今後も新たな万成石の掘り下げ方を楽しみに期待しております。

枕状溶岩 さんのコメント...

カリ長石のピンク色には実は他の説もあります。手元にその資料が無いので後日正確な記載を確認しますが、確か「保育社」から出版された「原色岩石図鑑」には、別の記述が在りました。私達が専門家の論文を拝見する場合に、注意が必要なのは、その論文の記述が何処まで一般化されているか?と言う事があります。これは見分ける事が至難の技ですけれど・・・