2019年6月14日金曜日

風化火山地質を通した甲子トンネルの大型改修

 2008年に通算33年を経て開通した、白河と会津下郷間の国道289号トンネル:甲子トンネルが、風化玄武岩(あるいは凝灰岩 )由来と思われる水膨潤性粘土(スメクタイト)が原因と思われる盤膨れ(車両走行面の膨れ)が最大 33 cm に達し、大幅な改修作業に入って居る。小生も数回このルートは利用させて頂いているが、4月末に改修作業の事を知らずに走っている内に「通行止め」の立て看板を見て慌ててしまった。
 実際には休工日に当たっていたので通過出来たのだが、個々のトンネルは最初の画像にも有る様に、トンネル途中で断面が変わり急曲線でのカーブが有るなど通常のトンネルではありえない状態がある。2005年頃に、もう開通しているのだろうと思って走ったが開通していなかったので図に示された迂回路と同じコースを走らざるを得なくてえらく往生したことが在る。地すべり等で、既に完成していたトンネルや橋梁が使えなくなり大幅に路線を変更して再掘削した挙句が、僅か8~9年程度でこの大型改修に至っている。
 盤膨れは、蛇紋岩に由来するものが、千葉県では嶺岡トンネル、三浦半島では阿部倉トンネル等で工期を大幅に延長して完工しているが、火山性地質由来のスメクタイトによる地山の膨潤はやや珍しい。但し、他にも結構類例は有る様だ。
 路面下のインバートに大きな応力が掛り、コンクリートが必要強度を得る前に圧密で破壊した状態で固まったらしい。新たにコンクリートを打設しなおしても、同じように固結時所定強度が発現する前に破壊してしまう可能性を回避する為に、工場で成形し、強度が発現した「プレキャスト・インバート」を用いたとの事。日経コンストラクションの最新号(2019年6月10日)に記事が掲載されていた。
 このトンネルの完成当時の単価が、メートル当たり 260万円だったらしいが、このプレキャスト・インバートは工場生産で精度高く製造できることはあるが、なんと、コストは工事費込だろうがメートル単価が 840万円に及ぶらしい。プレキャスト材の高価格は品質との兼ね合いで高いとは言えないが、地質調査の際に膨張性地山の事は判らなかったと言う事が残念!

塔のへつりの遠景:白河石や芦野石を構成する白河火砕流の給源と言われる「塔のへつり」カルデラの一部は阿武隈川の浸食により美しい景観を呈している

火砕流堆積物ばかりだと思うとこの様に大きな柱状節理が、田の脇にごろりと転がっている。付近には供給源と思われる岩壁は無いので、山体崩壊の際にこの付近まで運ばれたものと思われる。甲子トンネル下郷側出口のやや低い場所。旧道沿い(2006年頃撮影)
やや前屈みの姿勢だが、私の身長は 174 cm だからかなり大きな柱状節理です。凝灰岩質の柱用節理は大きなサイズが多いので、これも凝灰岩質かもしれないが形が整っている。

今年の4月末に甲子トンネルを通過した時にはまだ周辺の山々には雪が残っていた。

公告されていた規制・改修区間は 約 5.5 km とかなり長い。

白河側から入ると直ぐにトンネルの断面が急に縮小され急曲線に入る。真っ直ぐの大断面が当初の掘削区間だが、供用出来なくなり急曲線で膨潤性地山を避けて新しい線形が設計されたものだろう。

当日は休工中だったが、「段差あり」の注意管板がでかい。

福島県に拠る改修公告に掲載された路面の隆起量(盤膨れ))を示す画像。寸法は明記されていないが 10~30 cm 程度に達していた様だ。

西松建設技報に掲載されていた当該区間の新潟側地質縦断図。赤マーキングの部分が変質帯を示す。西松建設技報に掲載された工事報告に拠れば、西松・熊谷JVの担当した、「289号9号トンネル」区間に対しては津川層下位の流紋岩質凝灰岩と上位の軽石質凝灰岩( 細粒凝灰岩・火山礫凝灰岩・凝灰角礫岩等 )が存在し、不規則に分布する熱水変質を受けた脆弱層が想定されていたようだ。

日経コンストラクションに掲載された現改修区間の断面図には、膨張性地山インバート(道路面の下側)を吹付コンクリートでは強度の発現が遅くコンクリートに亀裂が生じる可能性を避ける為、予め工場で製作され設計強度が期待出来る「プレキャスト材」のインバートを採用している。

福島県に拠る改修公告に掲載された「プレキャスト・インバート」を採用した施行状況を示す。「日経コンストラクション」( 2019年6月10日号 )に掲載された記事では、西松建設技報とは異なり「原因とみられるのは、地山の玄武岩に含まれる「スメクタイト」と呼ぶ膨潤性の粘土鉱物だ。地下水や水蒸気に触れると膨張」とある。

参考用にベントナイト製造の「㈱ホージュン」殿HPから、スメクタイトの説明の項を抜粋して引用させて頂いた。
以上

GVP 週間火山活動情報の概要:6月5日 ⇒ 11日;18火山

New Activity / Unrest
Colima  | Mexico  | 341040 | 3850 m
6月1日から7日に掛けて火口の北東側で小規模の噴火と間歇的な水蒸気と火山ガスの噴出が続きました。天候が悪くしばしば火口付近の目視観測が遮られました。

Etna  | Sicily (Italy)  | 211060 | 3295 m
NSEC火口の南東側、標高 2,850 m 付近の割れ目火口での火山活動は、その頻度と強さが6月3-4日に勢いを減じま5日には爆発は収束しました。割れ目火口付近では溶岩流の動きは5日には活発でしたが翌日には静まり冷却され始めました。6日にはNEC火口で突発的な火山灰の噴出がみられましたが急速に拡散しました。報告に拠れば、NSEC火口の北東側の隅がが 7 m 崩落しており、5月30日の火山灰の噴出時のものと思われる。更に、最近の噴火の前から火砕丘の南東側の高温部は、6月6日の噴火の際に、噴気孔からの堆積物で広く覆われています。

Great Sitkin  | Andreanof Islands (USA)  | 311120  | 1740 m
6月7日の1318時に、地震観測データは小規模の水蒸気爆発を起したと報告されました。航空カラーコードは「イエロー」

Piton de la Fournaise  | Reunion Island (France)  | 233020 | 2632 m
11日0603時に始まった群発地震は急速な地殻の変状を伴いました。0635時に火山性微動が始まり、噴火が始まったものと想定されますが、天候が悪く目視観測では確認出来ず、ウエブカメラの画像で確認出来ました。0930時に現地調査に赴いた火山学者は、“Dolomieu”火口の南南東側山腹で少なくとも 5カ所の割れ目火口を確認しました。天候が悪く観測所からの目視観測は阻まれていました。比較的低い標高の三か所の割れ目火口からは、高さ 30 m に達する溶岩噴泉と溶岩の流れだしが確認されました。上部の二ヶ所の割れ目火口は活動を停止しました。1530時現在、最も標高の低い割れ目火口は活動を続けています。

Sinabung  | Indonesia  | 261080  | 2460 m
6月9日1628時に噴火が発生し、濃密な黒色~茶褐色の火山灰の噴煙を山頂上空 7 km まで上昇し。火砕流が南東側に 3.5 km, 南側に 3 km 流下しました。鳴動音が観測所でも聞こえました。噴煙は10日まで、山頂火口の 500 m 上空まで上昇を続けました。警戒レベルは“1-4”段階の“3”。南東側 5 km 以内と北東側 4 km 以内と更に半径 3 km 以内は立入禁止。

Ongoing Activity
Agung  | Bali (Indonesia)  | 264020 |  2997 m
6月10日1212時に爆発が発生し灰色の火山灰を含む噴煙が 1 km 上昇しました。警戒レベルは“1-4”段階の“3”。半径 4 km 以内は立入禁止。

桜島  | Kyushu (Japan)  | 282080 | 1117 m
3-10日の間、ごく小規模の噴火と時折、火映が南岳火口で観測されました。警戒レベルは“5”段階の“3”。

Dukono  | Halmahera (Indonesia)  | 268010 |  1229 m
5-11日の間火山灰を含む噴煙が高度 2.1 km に達し様々な方角に拡散しました。警戒レベルは“1-4”段階の“2”で、半径 2 km 以内は立入禁止。

Ebeko  | Paramushir Island   | 290380 |  1103 m
3日に火山灰を含む噴煙が高度 3 km まで上昇しました。航空カラーコードは「オレンジ」

Kerinci  | Indonesia  | 261170 | 3800 m
7日0604時に、灰色を帯びた噴煙が山頂火口の上空 800 m まで上昇した事が観測されました。警戒レベルは“1-4”段階の“2”、半径 3 km 以内は立入禁止。

Klyuchevskoy  | Central Kamchatka   | 300260 | 4754 m
12日に火山灰を含む噴煙が高度 5 km に達しまし、航空カラーコードを「オレンジ」に引き上げました。火山灰を含む噴煙は、高度 5 km でその日遅くまで続き、西北西に 68 km まで広がりました。

Krakatau  | Indonesia  | 262000 | 813 m
地震観測網は10日0850時に噴火を記録しましたが、天候が悪く目視では確認出来ませんでした。警戒レベルは“1-4”段階の“2”、半径 2 km 以内は立入禁止。

Manam  | Papua New Guinea  | 251020 | 1807 m
7-8日に火山灰を含む噴煙が高度 4.3 km に達しました。

Merapi  | Central Java (Indonesia)  | 263250 | 2910 m
3-10日の間、溶岩ドームの想定容積 458,000 m^3 の変化はありません。新たに押し出された溶岩は南東側の山腹に落下し、岩屑雪崩を引き起こし9日には 1 km 余り落下しました。警戒レベルは“1-4”段階の“2”、半径 3 km 以内は立入禁止。

Rincon de la Vieja  | Costa Rica  |  |  1916 m
11日0343時に噴火が発生し、10分間継続しました。天候が悪く噴出物を確認する事は出来ませんでした。

Sabancaya  | Peru  |  | 5960 m
3-9日の間、連日平均 12回の噴火が観測されました。火山灰を含む噴煙は火口の上空 2.9 km まで上昇しました。7日の爆発では、火山灰を含む噴煙が 30 km 南から南西に広がりました。火口から半径 12 km 以内は立ち入り禁止。

Sheveluch  | Central Kamchatka |  300270 |  3283 m
1-7日の間、溶岩ドームで熱異常が観測されました。航空カラーコードは「オレンジ」


Stromboli  | Aeolian Islands (Italy)  | 211040 | 924 m
6月3、6-9日にストロンボリ式噴火が続き、複数の火口から脱ガスが起こりました。北側の“N1”と“N2”火口では毎時1-4回の頻度で噴石を 80 m 余りの高さに噴出し火山灰の含まれた噴煙が伴いました。南側の“S1”と“S2”火口では、毎時 3-8 回の頻度で、噴石を 80-150 m の高さまで吹き上げ、“C”火口からは火山ガスの噴煙が立ち昇りました。

以上

阿蘇山_190611_14110000_ASOKSRvsm

Nevado del Ruiz_190607_062315

Sierra Negra_190607_063618

2019年6月7日金曜日

The Novarupta-Katmai Eruption of 1912—Largest Eruption of the Twentieth Century

 AVOFBで“Valley of Ten Thousand Smokes and the 1912 Novarupta-Katmai Eruption”と題する小文が紹介されていましたが、“Novarupta”火山の名前に聞き覚えの無い方にも、“ Vally of ten The Ten Thousand Smokes:VTTS ”と云う名前には心当たりが有るのではないでしょうか?この20世紀最大の火山噴火と言われる“ Novarupta-Katmai”噴火は1912年6月6日に始まり、 60 時間に亘り噴火を続け、噴火の規模では、1815 年の“ Tambora”火山に次ぐ規模ですが、20世紀では最大の噴火と言われています。それからまだ107年しか経過していません。
 この谷は噴火後4年を経過した1916年に“ Griggs”により発見され、当時でも噴気の高さが少なくとも 150 m 以上立ち昇って居ると思われるものが、1,000 以上あると推定しこの名前が付けられたと言われます。凝灰岩内に蓄えられた熱エネルギーは長年に亘り維持され、1918年には190℃を越える噴気を維持している噴気孔が 86 ヶ所確認され、最高温度は 432 ℃を記録。翌 1919 年には、200 ℃を越えるものが 54 噴気孔に登り、その内の11カ所では 400 - 645 ℃が測定されています。噴気の主成分は水蒸気でしたが、塩素、フッ素、硫黄等が検出されています。
 尚、カトマイ火山のカルデラは、当初はこの“VTTS”の噴出源と考えられていましたが、“Novarupta”の噴火により“Katmai”火山のマグマが引き抜かれ(drained)た為に陥没したと言われ、現在は直径約 3 km, 深さ 600 m のカルデラが形成されています。
この火山に関しては沢山の研究書が公刊されている様ですが、USGS が 2012 年に公刊した下記の研究者向け文献から幾つかの画像を抜粋引用してご紹介します。
The Novarupta-Katmai Eruption of 1912—Largest Eruption of the Twentieth Century: Centennial Perspectives ( 36.5 MB, 178頁,本文は 244頁 )
著者:Wes Hildreth and Judy Fierstein,USGS
https://pubs.usgs.gov/pp/1791/pp1791.pdf
GVP のこの火山と参照火山に関するサイトアドレス
Tambora   http://volcano.si.edu/volcano.cfm?vn=264040
Pinatubo  http://volcano.si.edu/volcano.cfm?vn=273083
Griggs      http://volcano.si.edu/volcano.cfm?vn=312190
Katmai      http://volcano.si.edu/volcano.cfm?vn=312170
Novarupta  http://volcano.si.edu/volcano.cfm?vn=312180
Fernandina http://volcano.si.edu/volcano.cfm?vn=353010

A:1917年撮影。B:1982年撮影

火山から風下 170 km 地点の“Kodiak”村の1912年の噴火終了時期の画像。三回の噴火で堆積した火山灰の厚さは 25-30 cm

カルデラ崩壊時の地震放出エネルギー,1912年の“Katomai”,1991年の“Pinatubo”(フィリッピン),1968年の“Fernandina”(エクアドル・ガラバゴス諸島)。これらのエネルギーの計算には日本人科学者の研究成果が使われている。

火山の位置図と噴火後数日以内に降灰が観測された地域

噴火口から北西に 20 km 離れた VTTS のパノラマ画像。谷の表面は、1~2°の傾斜。右上の“Mount Griggs”は、標高 2,330 m の安山岩質火山で氷河期後に噴火。

1912年噴火の際に放出された代表的岩塊:非晶質流紋岩・結晶質デイサイト・結晶質アンデサイト・溶結凝灰岩

北東に4km離れたナイフクリーク上流のエピソードIIとIIIの軽石落下堆積物。地質学者の頭のすぐ上にあるC層には、下位の流紋岩質の軽石が含まれていますが、残りの 12 m の降下堆積物は 99  % がデイサイトです。

Novarupta流紋岩ドームは、幅380メートル、高さ65 mで、右側には軽石に覆われたベイクドマウンテン、左側にはフォーリングマウンテンの北部が見えます。

“ovarupta”から 15 km の地点。1 - 10 cm の薄い層が幾重にも重なる堆積層の状態。露頭の高さはおよそ 8 m。背景はカトリーナ山.

“ Vally of ten The Ten Thousand Smokes:VTTS ”を構成する噴気孔の断面形状例。(左図)漏斗状開口部の口径はおよそ 2 m。噴気孔の表面には不規則な亀裂が発達し、小さな噴石が集中し、細粒分は吹き飛ばされて残って居ない。(右図)部分的な赤い酸化層と白色部の対比が美しい。
以上

2019年6月6日木曜日

HVO: 割れ目火口 8 の今

 久し振りにHVO のMultimedia > Photo Chronologyサイトが更新され、大量の溶岩流を流れ出した「割れ目火口 8」 の火口壁の画像が“ 4032 x 3024 pixels ”サイズでUPされています。
 最初の二枚の添付画像は、その画像を“ 1280 x 850 pixels ”に圧縮とトリミングを施したものと、その精細さを見る為に開口部の画像をトリミングと圧縮した画像です。



この画像には「6月3日、HVO のフィールド系地質学者が、Kīlauea火山の下部 East Rift Zone の割目火口“8”の webcamera の電池交換を兼ねて火口内部の観察を行った。蒸気や噴煙は見られず、ほんのわずかな硫黄臭が有るだけでした。 前景の黄褐色と灰色の岩は割目火口“8”の火砕丘とその奥側が見えており、南西側を見ています。撮影:USGS,C. Parcheta氏」と説明が記されています。
 少し前の 5月8日の画像になりますが(これはご案内しなかったと思いますが)、キラウエア火口内部の縞模様は赤い溶岩流の部分と、白い部分は火砕物だと説明されているのですが、火砕物が何故この様に白く見えるのか?不思議です。本当に白いのか?反射などで白く見えるのでしょうか?この画像は、オリジナルは同じサイズですが、全体の圧縮画像と、火口壁の一部を切りぬいた画像を添付します。



 この画像には「5月7日、フィールド要員が5月1日の小規模の火口壁の崩落の被害の影響を調査する為に、空からの観察をし、写真が撮られました。火口壁は、1980年代初頭に円錐形を形成した溶岩流と火砕物からなる明瞭なシーケンスを示しています。撮影:USGS, F. Younger」また、この時に撮影された火口底部の崖錐落下堆積物部分の画像には、底まで 286 m 」と説明が記されています。
オリジナルは下記にあります。
https://volcanoes.usgs.gov/volcanoes/kilauea/multimedia_chronology.html
以上

GVP 週間火山活動情報の概要:5月29日 ⇒ 6月4日:20(18)火山

New Activity / Unrest
Colima  | Mexico  | 341040 | 3850 m
25-31日の間に、小規模の複数の噴火と断続的な水蒸気と火山ガスの噴出が、主に火口の北東側で続いていた事が観測されています。23-24日の上空からの観測では、前の週に観測された新しい亀裂は、爆発或いは沈下により大きな火口に状に代わって居ました。火口内の温度は最大 252 ℃で、5月1日の観測地より 80 ℃上昇していました。



Etna  | Sicily (Italy)  | 211060 | 3295 m
30日0220時に標高 3,150 m の“NSEC”火口の北側に割れ目火口が開口し、ストロンボリ式噴火が始まり、溶岩が“Valle del Bove”の西側火口壁に向かって流れ出しました。溶岩流は0915時には、“Monte Simone”付近の標高 2,050 m 付近に達し、その長さは 2 km に達しました。数時間後に、“NSEC”火口の南東側山腹の標高 3,050 m 地点で二ヶ所の割れ目火口が開口し、その両方から溶岩流が流れだし、“ Valle del Bove ”の西側の谷に沿って収束しながら“Serra Giannicola Grande”に向かって流れ、時折、2018年の溶岩流を覆いながら、0915時には標高 2,260 m 地点に達しました。割目火口での火山活動は火山灰の噴出を伴いながら1150時から激しさを増しましたが、暫くして勢いが衰え夕刻にはほぼ停止しました。溶岩流は31日の早朝には谷の底に達し、その長さは約 3 km に達しました。
  INGVの火山学者に拠れば、二ヶ所の割れ目火口からの溶岩流は、6月1日の現地調査時にも流れ続け、激しいスパッターの噴出が NSEC 火口の南東側山麓の火口から発生していました。1930時には北側山麓の割れ目火口からの溶岩流は流れを止め、冷えはじめました。2日の現地調査では、標高 2,850 m 地点の割れ目火口からの爆発的な活動と溶岩流の流出は続いていました。溶岩流は“Valle del Bove”谷の西側の火口壁に沿って、前の日の溶岩流を覆っています。


Great Sitkin  | Andreanof Islands (USA)  | 311120  | 1740 m
6月1日に小規模の水蒸気爆発が地震観測データから判別されたので航空カラーコードを「イエロー」に引き上げました。

栗駒山 | Honshu (Japan)  | 283210 | 1627 m
JMA raised the Alert Level for Kurikomayama to 1 (the lowest level on a 5-level scale) on 30 May due to an undescribed potential for increased activity at the crater.
Source: Japan Meteorological Agency (JMA)
⇒5月30日14時に公表された「栗駒山 噴火予想」見出しと本文には「<栗駒山に噴火予報(噴火警戒レベル1、活火山であることに留意)を発表> 本日(30日)14時から栗駒山で噴火警戒レベルの運用を開始しました。火山活動は、これまでと変わらず静穏な状況で、噴火の兆候はみられません。」と記載されており、英文表記は誤りであり誤解を招くと思われるので両方をそのまま記載します。

弥陀ヶ原 | Honshu (Japan)  | 283080 | 2621 m
JMA raised the Alert Level for Midagahara to 1 (the lowest level on a 5-level scale) on 30 May due to an undescribed potential for increased activity at the crater.
Source: Japan Meteorological Agency (JMA)
⇒栗駒山同様5月30日14時に公表された「弥陀ヶ原 噴火予想」見出しと本文には「<弥陀ヶ原に噴火予報(噴火警戒レベル1、活火山であることに留意)を発表> 本日(30日)14時から弥陀ヶ原で噴火警戒レベルの運用を開始しました。立山地獄谷では熱活動が活発な状態が続いていますので、引き続き、火山活動の推移に注意してください。」と記載されています。

Sinabung  | Indonesia  | 261080 | 2460 m
5月31日から6月4日までの間、山頂から 500 m の高さまで白い噴煙が上昇しました。警戒レベルは“1-4”段階の“3”。南東側 5 km 以内,北東側 4 km 以内とその他の半径 3 km 以内は立ち入り禁止。

Ongoing Activity
Agung  | Bali (Indonesia)  | 264020 |  2997 m
31日1142時に爆発により濃密な灰色の火山灰を含む噴煙が 2 km 上昇しました。鳴動音が火山の南西 8 km の火山観測所でも聞こえました。警戒レベルは“1-4”段階の“3”。半径 4 km 以内は立ち入り禁止。

桜島  | Kyushu (Japan)  | 282080 | 1117 m
5月27日から6月3日の間ごく小規模の噴火が南岳火口で発生した事が観測され、時折、火口の火映が観測された。警戒レベルは“5”段階の“3”。

阿蘇山  | Kyushu (Japan)  | 282110 | 1592 m
5月29日と31日に、ごく小規模の噴火が有り、噴煙が火口縁の上空 400 m まで上昇した。亜硫酸ガスの排出量は日量で 2,000 トンと依然として多い状態が続いている。
警戒レベルは“1-5”段階の“2”。

Dukono  | Halmahera (Indonesia)  | 268010 |  1229 m
5月29日から6月4日の間、火山灰を含む噴煙が高度 2.1-2.4 km に達した。警戒レベルは“1-4”段階の“2”。半径 2 km 以内は立ち入り禁止。

Ebeko  | Paramushir Island   | 290380 |  1103 m
5月25-28日の間爆発により火山灰を含む噴煙が高度 3 km に達し、27-28日には火映が観測された。航空カラーコードは「オレンジ」

Ibu  | Halmahera (Indonesia)  | 268010 | 1325 m
31日に複数の火山灰を含む噴煙が高度 2.1 km に達した。6月2日には高度 3 km に達した。警戒レベルは“1-4”段階の“2”。火口から北側の 3.5 km 以内と、それ以外の半径 2 km 以内は立ち入り禁止、

Karymsky  | Eastern Kamchatka | 300130 | 1513 m
5月24日に、火山灰を含む噴煙が火山の北東 45 km に達し、28-29日には熱異常が観測された。航空カラーコードは「オレンジ」

Klyuchevskoy  | Central Kamchatka   | 300260 | 4754 m
4月22日に火山灰を含む噴煙が観測されたのを最後に、弱い熱異常が5月15日に観測されたのみなので、航空カラーコードを31日に「イエロー」に引き下げました。

Krakatau  | Indonesia  | 262000 | 813 m
地震観測ネットワークが5月29日に一回。6月2日に二回の噴火を記録しました。天候が悪く噴煙等を視認する事は出来ませんでした。警戒レベルは“1-4”段階の“2”。半径 2 km 以内は立ち入り禁止、

Merapi  | Central Java (Indonesia)  | 263250 | 2910 m
この期間中も溶岩ドームの容積は変わらず 458,000 m^3 と見積もられている。新しく押し出された溶岩は南東側山腹に落下し、岩屑雪崩を生じ 1.1 km下流まで落下している。
白い噴煙が山頂の 400 m 上空まで上昇。報道に拠れば、6月1-2日にも岩屑雪崩が 1.2 km まで流下した。加えて白熱した溶岩ドームの岩石が6月2日に 750 m 流れ下った。
警戒レベルは“1-4”段階の“2”。半径 3 km 以内は立ち入り禁止、

Poas  | Costa Rica  | 345040 | 2708 m
5月29日から6月1日に掛けて、複数の水蒸気爆発が記録され、噴煙が火口の上空 500 m まで達した。

Santa Maria  | Guatemala  | 342030 | 3745 m
5月29-30日に、ラハールが下り、 1-3 m の岩塊と樹幹を押し流した。ラハールは幅 20 m 、深さ 1.5 m 。29日の羅はいるは高温のラハールで硫黄臭が有った。
5月30日から6月4日の間、複数の爆発が有り、噴煙が火口の上空 800 m まで上昇。岩屑雪崩が東と南東の山腹を下った。

Sheveluch  | Central Kamchatka |  300270 |  3283 m
5月24-31日の間溶岩ドームで熱異常が観測された。航空カラーコードは「オレンジ」

諏訪之瀬島  | Ryukyu Islands (Japan)  | 282030 | 796 m
5月24-31日の間、南岳火口で時折火映が観測された。30日1629時の噴火では、噴煙が火口縁の上空 1.1 km まで上昇し、警戒レベルは“5”段階の“2”。
以上

箱根大涌谷_温地研_2019/06/04_1515

Nevados de Chillan_2019/06/04_101403

Stromboli_2019/06/05_0859

十勝岳_2019/06/03_08330000_TOKTVOvsm

十勝岳_2019/06/03_08505500_TOKHNTvsm
以上

2019年6月5日水曜日

NASA からの贈り物:写真集“earth 2019”のご案内

NASA Earth Observatory の体勢が暫く前にに変化してから、“Sarychev Peak”の急速に上昇して来る噴煙の刺激的な火山画像等が殆ど掲載されなくなった為に、殆どこのサイトで画像のご紹介をする機会が有りませんでしたが、今日は特報です。
火山画像はそれ程多くはありませんが、この地球を遥かなる高みから撮影した画像集が発行されている事を今日のメールで知りました。既に、二月に発行されていた様です。
“atmosphere (16)”,“water (21)”,“land (17)”,“ice and snow(15)”の四部門に分かれて多数の画像が収録されています。表紙共178頁。画像数は部門名の後の(*)の数です。画像の前頁に、簡単な地図と解説が掛れた頁が有ります。英文です。
“Download Earth in PDF, MOBI (Kindle), or ePub formats. Purchase a hardcover copy.” と書かれているので、下記のサイトから必要に応じてDLして楽しんで頂ければと考えます。私はpdfファイルで取り込みましたが、データ量は 337 MB でした。
https://earthobservatory.nasa.gov/features/earth-book-2019
表紙:四角い装丁です

14-178_頁 Trio of Plumes South Atlantic Ocean

44-178_頁 Holuhraun Lava Field ICELAND

56-178_頁 Coral Cocos Indian Ocean

86-178_頁 Crater Lakes with Clear Water Canada:隕石孔

116-178_頁 The Zones of Kilimanjaro Tanzania

26-178_頁 The Taranaki and Egmont New Zealand

Credits

以上