2019年3月8日金曜日

GVP 火山活動情報の概要:2月27日 ⇒ 3月5日;15火山

Bezymianny  | Central Kamchatka  | 300250 | 2882 m
クベルトに拠れば2月28日から翌3月1日に掛けて強い熱異常が観察され、強い噴気が続いている事が確認されている。航空カラーコードは「オレンジ」

Karymsky  | Eastern Kamchatka   | 300130 |  1513 m
クベルトに拠れば2月22日、24-26日に噴煙が高度 3.5 km に達し、東に 216 km まで広がった事が観測された。熱異常も28日まで観測され、航空カラーコードは「オレンジ」

Piton de la Fournaise  | Reunion Island  | 233020 |  2632 m
2月19日に標高 1,800 m の地点で開口した割れ目噴火口は27日から3月5日まで継続している。溶岩流の先端は22-28日まで行く理と進み、標高1,200 m の地点まで 300 m 前進している。火砕丘から始まった新しい溶岩流は北東に進み、南側の溶岩流は3月1日までは殆ど進んでいない。5日に実施された現地での観測では、その基盤での直径は 100 m, 高さは 25 m,火口は幅 50 m で開口している。高温の火山ガスが放出され、ストロンボリ式噴火活動では噴石を放出している。火砕丘の麓から白い水蒸気が上がっており、溶岩チューブの存在が想定される。北側の溶岩流は依然として活発。

Ongoing Activity
桜島:Aira  | Kyushu (Japan)  | 282080 | 1117 m
南岳火口での火映は時折観測され、4回の噴火と7回の爆発が発生し、噴煙は 2.3 km 上昇し、噴石は火口から 1.1 km の地点まで放出された。警戒レベルは“5”段階の“3”


Dukono  | Halmahera (Indonesia)  | 268010 |  1229 m
火山灰を含む噴煙が高度 2.1-2.4 km に達し様々な方角に拡散した。28日に二本の噴煙が火口から立ち昇るのが観測されている。警戒レベルは“1-4”段階の“2”

Ebeko  | Paramushir Island   | 290380 |  1103 m
火山灰を含む噴煙が高度 2.5 km に達し降灰も観測されました。航空カラーコードは「オレンジ」

Ibu  | Halmahera (Indonesia)  | 268030 | 1325 m
28日に噴煙が高度 2.1 km に達した。警戒レベルは“1-4”段階の“2”

Karangetang  | Siau Island (Indonesia)  | 267020 | Elevation 1797 m
溶岩流の噴出量は比較的低レベルで推移。白煙は火口縁の上空 500 m に達する程度。27日にパイロットからの報告で高度 1.8 km に達した事が報告された。警戒レベルは“1-4”段階の“3”

Manam  | Papua New Guinea  | 251020 | Elevation 1807 m
3月1日と5日に、火山灰を含む噴煙が高度 3 km に達し主に東の方向に広がった。

Merapi  | Central Java  | 263250 |  2910 m
溶岩ドームの容積とその形状は前回観測から変化せず、新しく噴出してきた溶岩は南東側山腹の峡谷に落下している。火山灰を伴う岩屑雪崩は 600-1,100 m 程度、2日には10本の火砕流が 2 km 流れ下った。警戒レベルは“1-4”段階の“2”

Nevados de Chillan  | Chile  | 357070 | Elevation 3180 m
3月1日の夜に爆発的噴火が発生。爆発に伴い、溶岩ドームの一部が破壊されたようで高温の物質が火口周辺に降り注いだ。航空カラーコードは「オレンジ」

Santa Maria  | Guatemala  | 342030 | Elevation 3745 m
3月1-5日の間に少なくとも毎時4回の爆発が続き、 500-700 m 上空まで噴煙が上昇した。岩屑雪崩は溶岩ドームの東側と南東側を下った。4日夜の爆発では、半径 10 km 以内で爆発音が聞こえた。噴石は 100 m 吹き上げられ周辺に降灰をもたらし岩屑雪崩を生じた。

Sheveluch  | Central Kamchatka |  300270 |  3283 m
時折火山灰が混じる強い火山ガスと水蒸気の噴出が2月中は高度 4-5 km に達し 100 km 程度広がった。航空カラーコードは「オレンジ」


諏訪之瀬島  | Ryukyu Islands (Japan)  | 282030 | 796 m
22日から3月1日までの間火口での火映が観測された。小さな噴火は時折観測され、噴煙を生じ、時には火口縁の上空 900 m に達した。警戒レベルは“5”段階の“2”



Turrialba  | Costa Rica  | 345070 |  3340 m
28日の噴火では噴煙が火口縁の上空 500 m に達した。この日は他にも噴火が観測され、3月1日早朝の噴火では噴煙は 200 m 上昇した。3月2-4日には定常的な噴気が 200- 300 m 上昇するのが観測された。

以上

2019年3月7日木曜日

南房総(嶺岡産)蛇紋岩に刻まれた石造物(2/2)

昨日に引き続き、蛇紋岩製の石造物の画像をご紹介します。説明は鴨川市教育委員会が添付した説明の一部を抜粋してご紹介しています。凝灰岩に比べて細かな文字が残り易いので、古い造立年代が確認され易く石工の系統や、移動を考えるには貴重なものなのですが、存在が殆ど南房総に限られるので千葉の北部に住む私には遠い存在です。

前面のみを平面に加工し、上下二段に各三体の地蔵尊を、龕(がん)を掘りくぼめた中に表現されています。上段左右の二体は二重円光とし、他は舟形光背です。
造立趣旨と紀年が読めないと思いますが最上部に書かれており、永禄二年(1559)に造立された事が判り貴重な庚申塔である事が判ります。六地蔵の持ち物も近世のものとは
異なる様で、判然としませんが下段右より宝珠・錫杖・念珠・鏡鈸(にょうばち?)・上段は宝珠・施無畏印(せむいいん)合掌、経箱?の様に見えます。

右手に小振りの錫杖を斜めに持ち“U”字形にはだけた胸前に置いた左手に宝珠を持つ地蔵菩薩が表現されています。後から刻まれたと思われる光背も裏面に陽刻されており、15~16世紀の制作と考えられています。

地蔵菩薩

馬頭観音:彩色 おっと、これは蛇紋岩では無く砂岩ですね。「安房の三名工」と言われた中の一人「武田石翁」の刻銘があります。砂岩の産地は彩色の為に確定していませんが、南房総には細粒部の鎌倉石に似た岩相の凝灰質砂岩を用いたらしい五輪塔や宝篋印塔も現存します。

役行者 これも砂岩ですね。蛇紋岩は細かな細工にはやや不向きだった様です。

馬頭観音 江戸時代の作と思われますがこれほど大きなものは極めて稀です。大きさ感が表現できずに申し訳ない。蛇紋岩です。

六地蔵彫像板碑 正面に四体、左右に一体ずつ地蔵菩薩像が彫られており、このような配置は極めて珍しいものですが、残念ながら紀年は確認されていません。類似品の存在から応永~永享期のものと想定されています。左手にガラスケースの反射が写り込んでいます。石造品の欠陥では有りません。

2019年3月6日水曜日

南房総(嶺岡産)蛇紋岩に刻まれた石造物(1/2)

先日の南房総市和田町での石切り場調査で訪ねた石切り場跡等でかなり沢山の蛇紋岩を用いた墓標や供養塔を観察する機会が在りました。手元に2013年に鴨川市教育委員会が開催した蛇紋岩に刻まれた御仏たちの展示会の際に撮影したものが有るので併せて二回に分けてご紹介します。
頭部が欠けてしまい、茶褐色に風化色を呈していますが実は蛇紋岩としては未だ結晶等がハッキリ観察されるフレッシュなものです。単斜輝石や斜方輝石の結晶が表面で光っています。

やや青い色合いが残っているので「蛇紋岩」らしい、と思われるかもしれませんが、風化してしまった蛇紋岩です。嶺岡付近ではやや珍しい存在で、殆ど最初の画像に示したような風化色になります。

元禄九子年(1696)の墓標です。

一般的な姿とは異なる狛犬の一対です。江戸時代後期に地元の石工によって製作されたものと思われます。常識にとらわれない素朴な表現から独特のユーモアとおおらかさが伝わってきます。



倶利伽羅龍王像です。

石祠型の塔身に三尊像を刻んでいますが、像容が別の永禄二年(1559)年の六地蔵(今回画像無)に似ているので、16世紀半ばの造立例として貴重です。

続く

2019年3月1日金曜日

GVP 火山活動情報の概要:2月20日 ⇒ 26日;20火山

New Activity / Unrest
Bezymianny  | Central Kamchatka (Russia)  | 300250 | 2882 m
活動が活発化し夜間に火口付近の火映と高温岩塊の溶岩ドームからの岩屑雪崩や、時折の強い噴気活動が観測されています。熱異常の温度は徐々に上昇しています。航空カラーコードは「オレンジ」

Karangetang  | Siau Island   | 267020 |  1797 m
濃密な白煙が火口内の主火口と北側火口から 500 m 上昇しています。警戒レベルは“1-4”段階の“3”。

Karymsky  | Eastern Kamchatka   | 300130 |  1513 m
16-20日の間、噴煙が東方に 200 km まで広がった事が観測され、熱異常も16日と18-20日に観測されました。航空カラーコードは「オレンジ」

Piton de la Fournaise  | Reunion Island  | 233020 |  2632 m
19日に開口した割れ目火口からの活動は継続しています。火口は標高 1,800 m の“Piton de la Fournaise’s Dolomieu Crater”の東に位置しています。21日に火山学者がゆっくりと東に広がる溶岩流を図化しました。火口の在る火砕丘は輝き、溶岩湖からはスパッターや火山ガス泡を放出しています。溶岩堤防に囲まれた流れは、標高にして 200 m 下方の距離にして 1 km 程流れ下り“Guyanin”火口付近で二岐に分かれて海に流れ込んでいます。北側の溶岩流は幅 50 m で、標高 1,320 m を越えて進み、南側の溶岩流は、幅 200 m で二股に分かれて海に注いでいます。溶岩流の最大長さは火口から 1.9 km に達しています。22-26日の間の溶岩流の流量は最大毎秒16 立方メートル以内で変化しています。

Poas  | Costa Rica  | 345040 |  2708 m
以前は火口湖だった場所から勢い良い火山ガスの噴出が起こっています。最も勢いの強いのが“Boca Roja”の“A”火口で夜間には時折火映が観察されます。硫黄臭は風下の南西側 16 km からも報告されており、溶融硫黄の粒子が火山灰と共に採集されています。

Semeru  | Eastern Java (Indonesia)  | 263300 | 3657 m
24日に高度 4.3 km に達した噴煙が観測されました。

Ongoing Activity
Agung  | Bali (Indonesia)  | 264020 |  2997 m
22日の噴火で噴煙が 700 m 上昇し、警戒レベルは“1-4”段階の“3”。

桜島:Aira  | Kyushu (Japan)  | 282080 | 1117 m
18-25日の間南岳火口で時折火映が観測され、22日深夜の噴火では噴煙が火口縁の上空 1 km まで上昇し、噴石も火口から 600-900 m まで飛散しました。2-25日の間に二度の噴火が発生し、その内の一つは爆発的でした。警戒レベルは“5”段階の“3”。

Cleveland  | Chuginadak Island  | 311240 |  1730 m
この間、地震計も空振計も全く異常を観測していませんが、地表面温度の上昇が観測されていますが、天候不良でその前の日々の観測は行われていません。溶岩ドームは新しい溶岩の兆候も無く沈下傾向が続いています。25日に航空カラーコードは「イエロー」に引き下げられました。

Dukono  | Halmahera (Indonesia)  | 268010 |  1229 m
噴煙が連日高度 1.8-2.7 km の高さまで上昇し、警戒レベルは“1-4”段階の“2”。

Ebeko  | Paramushir Island   | 290380 |  1103 m
15-22日の間、噴煙が高度 3.6 km に達する噴火活動を観測。航空カラーコードは「オレンジ」

Great Sitkin  | Andreanof Islands (USA)  | 311120 | Elevation 1740 m
特段の活動が観測されないので、航空カラーコードは「グリーン」に引き下げ。

Ibu  | Halmahera (Indonesia)  | 268030 | 1325 m
25-26日に噴煙が高度 2.4-3 km に達する噴火が発生し、熱異常も観測されています。警戒レベルは“1-4”段階の“2”。

Kadovar  | Papua New Guinea  | 251002 |  365 m
21日に噴煙が高度 1.8 km に達しました。

Krakatau  | Indonesia  | 262000 | 813 m
23日に4分31秒間継続する噴火を観測。噴煙は標高 610 m まで上昇。警戒レベルは“1-4”段階の“3”。

Merapi  | Central Java  | 263250 |  2910 m
15-21日の間は溶岩ドームの容積変化も形状変化も観測されていません。白い噴気は火口縁から最大 375 m 上昇。警戒レベルは“1-4”段階の“2”。

Sabancaya  | Peru  | 354006 | 5960 m
18-24日の間は連日平均 20 回の噴火が観測され、しばしば天候により視界不良となりながらも噴煙が火口縁の上空 2.2 km まで上昇するのを観測した。

Sheveluch  | Central Kamchatka |  300270 |  3283 m
15-22日の間、溶岩ドームは輝き続け、北側で岩塊を噴出させ続け、高温岩塊の岩屑雪崩も観測されています。熱異常も連日観測されており、火山灰を含む噴煙は高度 4-5 km に達しています。航空カラーコードは「オレンジ」



諏訪之瀬島  | Ryukyu Islands (Japan)  | 282030 | 796 m
15-22日の間御岳火口で火映が観測され、小噴火が時折観測され噴煙は火口縁の上空 900 m まで上昇しました警戒レベルは“5”段階の“2”。

Turrialba  | Costa Rica  | 345070 |  3340 m
21日に噴煙が 300 m 上昇する噴火が観測され、これ以外にも頻繁に、強さとその周期は様々ながら活動が観測されています。

その他の火山カメラ画像
イタリア:エトナ山:2月21日(2枚共)



吾妻山山系東吾妻山山頂部;[気象庁火山カメラ]

霧島山系硫黄山:[気象庁火山カメラ]

カムチャツカ半島:Klychevskoi火山:2月26日

北海道・雌阿寒岳:[気象庁火山カメラ]

南米・チリ:Planchón-Peteroa火山;2月26日(二枚とも)



コスタリカ・Poas 火山;2月17日

メキシコ・Popocateptlt火山;2月21日

南米・ペルー:Sabancaya火山;2月27日

桜島:3月1日の南岳火口付近

カムチャツカ半島:Sheveluch火山溶岩ドームからの噴煙と高温岩屑雪崩



以上

2019年2月26日火曜日

NASA Earth Observatory:Shiveluch Smokes Once Again

NASAのアウトリーチ用画像データベースで、2月23日の衛星画像が公開されていますので御案内します。

今朝確認したKVERTのこの火山に関する情報では「溶岩ドームの北側で粘性の高い溶岩の流出が続き、強い噴気活動と、ドームの火映現象と高温岩塊の岩屑雪崩が続いている」とされています。今朝の(2月26日11時過ぎ)Sheveluch火山のライブカメラ画像(下記)では、やや火山灰が混じった雰囲気の噴煙が上昇しています。

より詳しい情報をご希望の方は下記を参照下さい。
NASA Earth Observatory
https://earthobservatory.nasa.gov/images/144586/shiveluch-smokes-once-again
KVERT:Shevelucch 火山の画像サイト;巨大な噴煙中の画像を含み、全部で296枚の画像が収録されています。
http://www.kscnet.ru/ivs/kvert/current_eng.php?name=Sheveluch
KVERT:火山活動情報のサイト
http://www.kscnet.ru/ivs/kvert/van/?type=2
KVERT:Sheveluch 火山のライブカメラ画像
http://geoportal.kscnet.ru/volcanoes/webcams.php?name=Sheveluch

2019年2月25日月曜日

南房総市和田町の石丁場(1):鯨の町と石丁場

私は捕鯨船の基地のある街で育ったので、体の基本部分の1割くらいの素材は鯨で出来ていても可笑しくないと思っているが、今回の石丁場の探索は地元の方々のご協力を頂いての調査なので昼食は当然鯨料理となった。
私は「鯨の竜田揚げ」流石に、メニューに鯨が多い。早朝、6時過ぎに出発し、帰宅したのが22時だから今回は結構な強行軍で、最後の打ち合わせは暗くなったお寺の駐車場で立ち話となってしまった。
石切り場が存在するのは、1/5万「鴨川」図幅地域の中の「中三原層」、隣の図幅に移ると「嵯峨志層」と呼ばれる地層に存在する。意外と大きな規模で採掘されていた事が判明。パット見の岩相が鋸山の「房州石」に似ているので、良く観ないと間違う恐れがあるが、どちらかと云うと地産地消型石材なので、遠距離には運ばれなかったらしい。
今回は、殆どが私有地で、家の(勿論許可を頂いて)裏庭に入ったり、御案内頂いて御自宅の庭を突っ切ったり、歩いてみたらかなりやばい滑落しなかったのが不思議な位の地形等と云うアクセスが多かったので、GPSのトレース図は公開できない。

昼食の鯨料理。私は母親の味ともいえる「鯨の竜田揚げ」。上は「鯨の一口かつ」。

メニューもいろいろ。選びやすい値段ですよね!

地震の化石と「バイン」構造。石垣に使われていた「石堂層」の泥岩ブロックに沢山刻まれていた。

枕状溶岩が切出されて石垣に使われていた。南房総ではこの様な例は実に多い。残念ながら石積みにはあの枕形状はそぐわないので殆ど整形されてしまっている。

南房総の「江見」付近で良く観察される。砂岩に穿孔貝が開けた巣穴群。ここまで徹底して巣穴が多いのはこの地域だけの様に思う、石碑の礎石に良く使われていて、石碑は勿論、宮城県石巻市産出の「井内石」

石切り場の崖は、風雨に晒されている場所では切目がハッキリとは残っていない。

切出しの際の「不陸」。ツルハシで溝を入れての採掘なので、このような段差がどうしても出来てしまう。

ラミナも有れば断層も有るので岩相変化が結構激しい。

粗いスコリアが目立つ部分。曇り空と思っていたら快晴の暖かい日で、白いスケールは選択ミス!

ややスコリアが細粒の部分。地層の傾斜はかなり大きくて、40度程度になる場合も有る。傾斜と走向の違いが、切り出した際の石材の印象を大きく変える。

パミス(ここでは潰されている軽石程度の意味に使っている。気泡は殆ど観察出来ない)や泥岩の破片もやや粗い層の中に観察される。
続く