2017年4月27日木曜日

GVPの週間火山活動情報の概要:4月19日⇒25日:19火山

今週も、GVPの週間火山活動情報の概要をご案内します。
今週は19火山の情報があります。
Activity for the week of 19 April-25 April 2017

New Activity/Unrest
Ibu  | Halmahera (Indonesia)  | 268030 | Elevation 1325 m
報告に拠れば、419-21日の間か座にを含む噴煙が高度1.5-1.8kmまで上昇し東と北に広がりました。
  
Kambalny  | Southern Kamchatka (Russia)  | 300010 | Elevation 2116 m
クベルトに拠れば、415日から21日に掛けて中規模の火山活動が継続しています。カムチャツカ半島南部環境保護区の観測者からの報告では、19日に少量の降灰が“Kurilskoe”湖付近で観測されています。航空カラーコードはオレンジです。

Langila  | New Britain (Papua New Guinea)  | 252010 | Elevation 1330 m
衛星画像等のデータ解析から、423-25日に火山灰を含む噴煙が高度2.1kmに達し南と南東に25kmまで広がった事が報告されました。
  
Manam  | Papua New Guinea  | 251020 | Elevation 1807 m
報告に拠れば418日に火山活動は低下し21日まで低いレベルが続きました。南側と主火口から鳴動音が聞こえ、火映が見られ、南側火口では火山灰を噴出し、20日の0900-1100時に其の強度を増しました。少量の火山灰を含む淡い灰色から褐色の噴煙が両方の火口から上昇しておりRSAM値は0500時には600に達し、その後は400-1400の間で変動し、この報告書の時点では少なくとも1400を示しています。報道に拠れば、425日に警戒レベルはステージ3に引き上げられ、女性と子供はマナム本島の“Bogia”に避難し始めました。
  
Nishinoshima  | Japan  |  | Elevation 25 m
⇒火山活動解説資料を参照下さい。

 Poas  | Costa Rica  | 345040 | Elevation 2708 m
420日の報告に拠れば濃い水蒸気の噴煙が高温の火口湖の傍に在る古い溶岩ドームの傍に新しく形成された火砕丘の火口から噴出しています。火山ガス濃度は413日には日量1,000トン、420日には2,500トンに達しています。420-22日の間はストロンボリ式噴火が火山灰を火口周辺の半径300m以内に噴出しました。火山ガスと火山灰の噴煙は火口から200m上昇しました。赤十字からの報告では降灰は以下の地域から報告されています: Alajuela, Fraijanes, San Miguel, Carbonal, Cajón, San Francisco, San Roque, and San Juan Norte de Poás.422日の1316時と1603時の噴火では噴煙は高度未確認ですが上昇しました。この日にはもっと大きな噴火が記録され、2212時の噴火はとても強く火山弾をかなり遠くまで噴出しました。23日の1215時の噴火では噴煙が生じましたが到達高度は不明です。

Ongoing Activity

Bagana  | Bougainville (Papua New Guinea)  | 255020 | Elevation 1855 m
衛星画像から416-17日に火山灰を含む噴煙が高度1.8-2.1kmまで上昇し様々な方角に広がり、19日と23-24日には噴煙は55-85kmまで広がりました。
  
Bezymianny  | Central Kamchatka (Russia)  | 300250 | Elevation 2882 m
クベルトに拠れば414-21日の間溶岩流は溶岩ドームの北西側山腹を流れ下りました。熱異常は衛星画像で14-17日の間も確認されました。航空カラーコードはオレンジです。
⇒カムチャツカ半島の火山については下記のサイトでライブカメラの画像をモニターする事が出来ますのでご案内します。集合画面ですが、クリックにより、拡大表示されます。画像によっては二段階に拡大されるものもあります。撮影時刻は画面の上か下に表示されます。
  
Bogoslof  | Fox Islands (USA)  | 311300 | Elevation 150 m
419日の報告に拠れば、415日に発生した短時間の地震活動の活発化に対応した噴火は衛星画像屋地震観測或いは空振計でも観測出来ませんでしたので警戒レベルをイエローに引き下げました。
  
Cleveland  | Chuginadak Island (USA)  |  | Elevation 1730 m
衛星画像の解析では、331日の噴火後に始まった山頂火口での溶岩ドームの成長は続いています。航空カラーコードはオレンジに引き上げられました。過去2週間に亘って衛星画像で地表面の温度が上昇している事が観測されています。
新しい溶岩ドームは415日の衛星画像で、火口の底深くに、直径10m以下の小さなドームとして最初に確認され、23日には直径45mまで成長しました。溶岩ドームの成長は地震活動からも確認されます。

Dukono  | Halmahera (Indonesia)  | 268010 | Elevation 1229 m
衛星画像等のデータ解析から419-25日の間、火山灰を含む噴煙が高度1.8-2.4kmに達し様々な方角に広がった事が報告されました。
  
Ebeko  | Paramushir Island (Russia)  | 290380 | Elevation 1103 m
クベルトに拠れば、414日、16日と19日に、複数回の噴火が、火山から7km東のパラムシル島の“Severo-Kurilsk”の住民により観測されました。火山灰を含む噴煙は高度3.2kmに達し、少量の降灰が18日に“Severo-Kurilsk”で観測されました。航空カラーコードは引き続きオレンジを維持しています。
  
Kilauea  | Hawaiian Islands (USA)  | 332010 | Elevation 1222 m
⇒相変わらずの活動が継続しています。形成された溶岩三角州の模様は415日の画像が最新です。
 

Klyuchevskoy  | Central Kamchatka (Russia)  |  | Elevation 4754 m
クベルトの報告に拠れば414-17日と23日に熱異常が観測されています。423日には少量の火山灰を含む水蒸気と火山ガスの噴煙は高度5kmまで上昇し南西に125kmまで広がり、航空警戒レベルはオレンジに引き上げられました。24日の衛星画像では火山灰を含む噴煙は高度7kmで南西に72kmに達しています。425日には火山活動は驚くほど低下し、水蒸気と火山ガスのみが観測されました。航空カラーコードはいったんイエローに引き下げられましたが、25日に再び火山灰の存在が確認されたのでオレンジに引き上げられました。この日噴煙は高度3-4kmまで上昇し南西に60kmまで広がりました。
⇒前記クベルトのサイトでライブカメラ画像がモニター可能です。
 
Nevados de Chillan  | Chile  | 357070 | Elevation 3212 m
421日にウエブカメラが水蒸気、火山ガスに火山灰を含む噴煙が高度4kmまで上昇し、山頂付近で急速に拡散しているのを捉えました。
⇒下記サイトの火山名の右手のカメラマークをクリックするとライブカメラ画像がモニター可能です。
  
Sabancaya  | Peru  | 354006 | Elevation 5967 m
ウエブカメラ等の情報から、418-25日の間、散発的な噴煙の突出があり高度8.2kmに達し、しばしば雲に阻まれて観測出来なかった事が報告されました。
⇒下記サイトの火山名の下に在るムービーマーク(real 1)をクリックするとこの火山の毎分更新されるライブ画像をモニター出来ます。
 



San Miguel  | El Salvador  | 343100 | Elevation 2130 m
417日に公表された報告ではここ数日、地震活動と火山ガスの噴出が増加している事が報告されました。この日0620-0630時にはRSAM値が突然356に飛び、通常の観測地よりも50も増加していました。18-21日と23-24日にはRSAM値は80から300の間で変動しています。
  
Sheveluch  | Central Kamchatka (Russia)  | 300270 | Elevation 3283 m
クベルトの報告に拠れば、415-21日にも溶岩ドームの成長はこれまで通り継続しています。衛星画像では13-17日に熱異常を観測しており、15日には火山灰を含む噴煙が東に95kmまで広がりました。航空カラーコードはオレンジを維持しています。
⇒前記クベルトのサイトでこの火山のライブ画像をモニター出来ます。
Sinabung  | Indonesia  | 261080 | Elevation 2460 m
衛星画像等のデータ解析から420-22日と24日に、火山灰を含む噴煙が高度3.3-4.3kmに達し南西と東に広がった事が確認されました。
以上

2017年4月15日土曜日

銚子砂岩の風景(10) 海静寺と屏風ヶ浦等 これで一区切り!

さて、「銚子砂岩の風景」の最終回は前回オーバーフローの本銚子駅傍の海静寺のご紹介と、屏風ヶ浦の風景を少しご紹介して終わりたいと考えます。
 海静寺さんは大きなお寺ではありませんが、「ジオ」的な興味深いものを観察出来ます。銚子石で造られた手水鉢です。上面の多数の穴は幾つかは本物の穿孔貝の巣穴かもしれませんが、デザイン的なものと考えてよいと思います。銚子には同じような手水鉢が他にも観察されます。

階段を上がって境内に入り左手前方に見える房州石の石塀です。砂岩が採掘される銚子でこの石材は珍しい観察例です。

傾斜地に在る境内の坂道を登り始めると植生脇に埋め込まれた古瓦が有り、その中に「黒生」の瓦である刻印観察されます。この瓦の粘土も河川系の粘土では有りません。資源が枯渇したので長期計画で調査中です。瓦のサンプルを博物館に収蔵させて頂きました。



清水小学校の校庭と同じ段丘目にまで上がるとこの不思議な灯篭が観察出来ます。古銅輝石安山岩の軸部と火袋や笠は銚子石で造られた灯篭です。


 屏風ヶ浦は、名洗町側は観察用の遊歩道が整備された様ですが、地層の壁に取りつく事は出来ない様です。Googleマップを見てみるとその先は防波堤が波をかぶっている場所も有り2011年の津波で部分的に破壊されたままの様に見えます。
 ここではある銚子地質観察会の際の干潮時に、遊歩道が未整備の部分で屏風ヶ浦の地層を観察した画像を数枚ご案内します。崖を下る道は数か所ありますが、その付近は駐車禁止で車を止める事は出来ません。下る道は大体急坂で水流が有り、苔等でものすごく滑り易いので防波堤まで行くだけでも大変です。名洗町付近の遊歩道が整備された部分で観察するようお勧めします。





“KG1c”と書かれたテフラ層は春日層のものです。その道のプロが表面をクリーニングしメモを彫り付けたので、横から撮影させて頂きました。プロが居られるとこんな時に嬉しいですね。助かります。

その前の地層の画像はスランプ層ですね、折れ曲がっています。

私はこの時はもっぱら軽石のチェックで終わりました。
 素人の説明は全く至らないのですが、画像の数は沢山あります。面白そうだと思って頂ければ幸いです! 

銚子砂岩の風景(9) 川口町から清水坂下へ:砂岩だけでは無い銚子

最初の画像は、今回ご紹介する予定の四か所の位置関係を示しています。

「岩石公園」は、利根川河口の安全の為に設置した防波堤の建設や、漁業施設の為の埋め立てで失われた「古銅輝石安山岩」の記憶を残す設置されたもので、石材と露頭の一部が移設されています。周辺には、駐車するスペースが無いのでやや不便ですが、周辺道路は漁業関係の大型トラックが走行するので「ちょっと」の時間でも駐車しない様にお願いします。雑草が生い茂る中に比較的大きな「銚子古銅輝石安山岩」と刻まれた石材と露頭がありあります。(最近立ち寄ったら草刈りされていました)

石材の表面を接写したものですが、9年前に撮影したもので写りがあまり良く無くて申し訳ありません。


 「川口神社」は歴史の古い神社で長い銚子石で築かれた石段の階段が名物のようなものですが、此処では参道の途中で少々不思議な灯篭を見る事が出来ます。石材は恐らくは新小松石ではないかと想像していますが、塩害風化で軟らかい部分が削られています。
火袋の下の軸部を拡大したのが下図です。湿気が多いのか真っ白に苔でも生えているのでしょうか? 石材の調査をやっているので風化した岩石の表面には特に興味が有りますが、こんなのは初めてです。



神社の土台石に使われている切石で、これはどうやら「伊豆軟石:石灰質凝灰質砂岩」です。主として江戸時代から明治に建設或いは改修された、千葉や埼玉等の神社や宿場町の商家の土台石に使われている石材です。伊豆下田で石切り場や建築物でこの石材に出会ったのはこの後でしたから、完全に失念していました。近い内にもう一度行って再確認したいと思っています。⇒再訪し確認して来ました。間違いありません。


 案内図の上から三番目は「西廣」さんです。ここは、紀州から移住してこられた銚子漁業の重鎮です。但し、普段は公開していないので100年の歴史をもつ「納屋」の横を通りながら観察する手をご案内します。「西廣」さんの南に植生を示す緑色の細い部分がありますが、その北端を目指します。小さな御社の或る西宮神社を含む小さな公園があります。ここの北側の石垣も変わっていて、大きな玉石の破断面が表に出る様に石垣を組んでいます。この様な断面を観察するのもなかなか面白いものです。



この公園の北端から北を観るとこのような風景です。西廣さんの100年を超える納屋です。邸内から見ると二棟並んでいます。これは瓦の調査の際にお世話になり撮影させて頂いたものです。納屋の前の石垣も銚子石です。



フェンスの外側を北に抜ける途中に、少し遠いですが木造の建物が見える筈です。これは木造の旧缶詰工場の建物です。

 永くなりましたので清水坂下の海静寺さんで観察される石材や古瓦については次回に致します。 外川の街並みやこの西廣さんの建築物は江戸に隣接し、関東平野と漁場の太平洋を背景に利根川の舟運により江戸に東国の物産を供給し、江戸のくらしや経済を支えた貴重な歴史を記録するものだと考えます。

2017年4月13日木曜日

銚子砂岩の風景(8) 銚子市外川町の砂岩

銚子は紀州と非常に縁の強い街です。その「縁」は単に交易による縁といった事ではありません。ここでその詳細を述べるには紙幅が余りにも少ないので、詳しくは昭和十一(1936)年に「銚子木国会記念祭事務所」が発行した和装の「銚子木国会史」(国会図書館蔵:図書館送信参加管内公開)をご覧頂かなくてはなりません。
 最初の図は、「銚子木国会史」に掲載された崎山治郎衛門が描いたと言われる外川の街並みと漁港の図です。私費を投じて港の工事を始めたのは明暦二(1656)年。本浦の竣工が満冶元(1658)年、新浦の竣工は寛文(1661)元年と言われる。波を受け止める主要な部分には長崎鼻から安山岩を運び、街並みや防波堤の一部には隣接する日和山(波止山)から砂岩を採掘した。
 漁民の住む市街地については寛文元年に崎山治郎衛門が外川に居を移した後の事で、将来、人家が稠密した場合の有様を考えこの街並みの基本設計を行っている。この図と現在の街並みを比べて観て頂きたい。



 外川には宮城県石巻産の井内石が使われた「銚子漁業発祥地外川港 開祖 崎山治郎右衛門碑」が建てられています。

 さて、後は街中の様々な砂岩と安山岩を用いた石組の画像をご案内します。場所は敢て省きますので、街中を歩いてこのような風景を探してみませんか?また、もっと、面白いものを発見されたら是非ご教示下さい。
砂岩の表面が清浄に保たれていて色合いや、表面の模様が興味深いのですが、私有地に入らずに道路から観察して下さい。

風格のある落とし込みの石組ですね。

銚子の市街地にこのような小型の石材を組んだ石蔵が有りました。

貝化石が観察されます。漁港の防波堤の砂岩に注目です。



砂岩礫と安山岩礫が組み合わせられた石垣。砂岩の穴は、現生の穿孔貝の巣穴の跡です。採取した時に汀近くにあったのでしょう。

野面積の石垣は野趣豊か!



風化の造りだす模様も意外と面白いものです。次回は、川口町の散策コースです。

銚子砂岩の風景(7) 街中の砂岩の風景;飯沼観音から本銚子まで

銚子の街中には、地元産出の銚子石を様々な形で使われたものが残っています。ここでは銚子電鉄の「飯沼観音」から一つ隣の「本銚子」までの移動に街中の銚子石等を観察しながら散策する一つのコース例を御案内します。数年前に千葉県立中央博物館の「地質の日」の行事で御案内させて頂いたコースの一部です。

 最初の立ち寄り先は飯沼観音に接した銚港神社です。残念ながら壊れてしまいましたが、ここの鳥居は砂岩でできていました。幸いな事にその一部が、入り口付近と奥の本殿脇に保存されています。

飯沼観音の中を通っても行けますが、銚港神社の手前から裏手の駐車場に回ると、宝篋印塔と五輪塔が整理されて保存されている一角が有ります。霞ヶ浦周辺地域には銚子石製の仏塔や宝篋印塔、墓石等が数多く分布しています。



 下図は大谷石製の石蔵ですが、石材の表面に幾つか流紋岩質の小岩片が観察されます。宇都宮市の北東部の下田原町に採掘中で立ち入れない場所ですが似た様な岩石露頭があります。これからご紹介する二つの銚子石製の石蔵との比較観察用に紹介します!

銚子市内でも数少ない銚子砂岩を使った石蔵とその石材の拡大画像です。煉瓦より少し大きな切石を組み上げたもので、類似形状の切石は次回ご案内予定の外川町の石垣で観察されます。



 神宮司商店の石蔵で、大きな石材を用いた立派な石蔵でしたが、2011年の震災で壁を残して崩落してしまいました。

次図は「港町銚子における河岸の利用形態と商業活動:飯沼地区を事例として,山澤他,現筑波大学1998」からこの地域の明治20年の町割り資料として抜粋引用したもので、この一角が「和田船溜」に面して居た事を示しています。中心部は公園になっています。

 銚子では石蔵よりも土蔵が多いように見えますが、この様に外壁を下見板で囲んだ⑩蔵は、石蔵か土蔵か?判らないので我々にとっては困りものです。耐火構造の蔵に可燃性の「下見板」を張るのは筋が通らない様に思われますが、周辺に火災が発生した時には時には下見板を竹竿一本で簡単に取り外す事が出来るので、耐火性を落とす事にはなりません。潮風で塩害風化が激しい地域の知恵ですね。

 路地の石垣の間知石に使われた海鹿島砂礫岩の例です。海岸の岩場から採掘した為に、穿孔貝の巣穴化石が観察されるものもあります。



 清水坂下交差点から清水小学校に登る通学路の石垣を学校側から眺めたものです。同じような石垣はその左手の路地でも観察可能です。坂の途中に「海静寺」があります。この境内では、黒生瓦、房州石、銚子石と古銅輝石安山岩を組み合わせた灯篭等がありますが、これは別稿で取り上げる予定です。
 次回は銚子半島の南側にある紀州漁民が初手から築き上げた「外川町」の砂岩の風景を御案内します。