2021年3月29日月曜日

凝灰岩質石材の旅::No.112224-03A:越谷市の房州石石蔵 ③

 所在地:越谷市中町7-20:非公開個人宅(但し、店舗部分は雑貨商)

国土地理院地図座標:35.893326,139.786311

東武線蒲生駅から徒歩:約 700 m

今回ご案内する房州石を用いた石蔵は江戸の時代から続く間口が狭く奥が深い造りの中に在る石蔵なので、オペラグラスでも持って居ないととても観察する事が出来ません。駅からは僅かに 700 m 余りなのですが、この付近には石材的には色々と見ものが在るので、順次ご紹介したいと思っています。地図の赤丸が、今回の木下半助商店さんの位置。周辺の三か所の緑の丸は伊豆から来た石材を用いている場所です。

赤丸が、今回の木下半助商店さんの位置。周辺の三か所の緑の丸は伊豆から来た石材を用いている場所です。
木下半助商店さんは、参勤交代が行われていた時代からのお店ですが、明治三十二(1900)年にこの地域を広く焼き尽くした大火により被災しています。現在のお店と住居部分は
大正六(1917)年年頃の再建と伝えられていますが、石蔵はそれに先立つ明治四十二(1909)年に防火を目的に房州石を用いて建設されたと御当主にお聞きしています。
店舗の方を後回しにしています。土蔵を含めて2015年に文化財の指定を受けています。
この図で、左手の赤い板で締め切っている場所は、昔はトロッコの出入り口で、表から奥の二棟の土蔵と石蔵に荷物を効率よく運ぶようになっていたようです。石蔵等は非公開です。
お店の名前の由来も面白いのですが、それは石材とは関係無いのと少々長くなるので省略させて頂きましょう。
石蔵は本当に見える場所が少ないのです。石材の話を伺おうとお店に伺った時に、良く房州石だと判りましたね!と言われました。御主人はご自分で房州石の事を調べてお出ででした。
別の角度から、確か北側の空き地からこれも望遠レンズで観た景色です。次の画像はこの一部をトリミングして見たものです。

店舗の表に回って、広い土間を眺めてみると柱の束石にこんな石材が使われています。
土間には他にもこのような石材が見えます。前の画像の石材と同じもので、これは伊豆の下田付近で採掘された石材です。現在の蔵造りのお店は大正なので、この石材もその際に用いられたものだと思いますがこのような石材は火災等には強いので使い廻しをしているかもしれません。  同じ石材が、通りの向かいの建築にも使われていますが、それは次回にでもご案内致しましょう

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