今日は少し話題が飛びます。先日、上尾市の小さな浅間塚を訪ねました。
参詣者の少ない神社では、石材に様々な汚れが沈着しており、亀の子タワシ程度でゴシゴシやっても生半可な努力ではその地肌の模様や色を見せてくれない事が多い。しかも階段の石段の一ヵ所だけ磨いたのでは、不自然になるので、磨くのなら全部同じように磨くなら許可する等と言われてしまう。
以前から小さな仮説を立てていてそれは『階段に間知石を使っている現場で石質を観察出来ない場所が在ったら、それは伊豆の職人が作った階段で、かなり古いものであり、角礫を含む緑色凝灰岩。即ち、修善寺奥の猫越川の河床に露頭が覗く「湯ヶ島層群」の硬い凝灰岩だ』と言うもの。この仮説を立証する為に、間知石の形状が普通の間知石とはやや異なる事。間知石を使う以上必ず位置合わせ様に形状を修正しているので、兎に角破片を徹底的に探して断面を確認する事としている。Google の写真地図で、神社境内の燈籠や整備状況などの画像が多くあって、これは訪問すべきか、行っても多分何も得るものが無いだろう等と見当がつく事が多い。ここの神社は浅間塚の上に在り、画像では階段が間知石を使っている事が判ったので、周辺に立ち寄りたい場所が見付からなかったが、これだけでも見て置く価値があると思って出かけてみた。
教育委員会が建てた案内看板の一部。印をつけた階段の石材が問題
階段は32段。その内27段が間知石で築かれた部分。一段は六列。
上から見ると間知石を使っている事が良く判る。
正面から見た階段石。
ありました、すこし歪な細長い間知石。この形状が正に正解。これで仮説は半ば証明された様なもの。
例によって石材の表面は礫岩とは思えない様な状態。これでも軍手で暫くこすったのだが・・・
中には、角礫が風化で凹んだような表面を示すものが含まれていた。勇気百倍。
ありましたね。この模様が出てくればまず 100 % 問題ないが、これで「角礫を含む緑色凝灰岩」と言っても納得するような証拠にはならない。所々に「角礫」が在るけれど判り難い!。
ありました。塚の周りを回りながら落ち葉を払っていると、小さな石の破片がありました。割ってみるとこの通り、角礫混じりの緑色凝灰岩です。
勿論、割れた破片の一部だけ「お持ち帰り」させて頂くけれど、残りはちゃんと元の場所に置いてきました。
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