2019年3月10日日曜日

幸手市下宇和田:中川沿いの観音院と香取神社 (1/2)

千葉県の最北端、野田市の関宿から東武動物公園行のバスで数分のバス停を降り、中川沿いに南に下ると、昨年10月に元看護学校の校舎を転用して「新装開館」した「幸手市郷土資料館」のもう少し南に、観音院と香取神社が並んでいる。このままでは何れ貴重な石造文化財が朽ちてしまうだろうことが残念だが、一部に伊豆の凝灰岩製の五輪塔(?)や御神灯が現存する。

観音院前の大きな文字庚申塔。

門の右手には青面金剛像が立ち並ぶ

文字庚申塔には「寛政四壬子年(1792)冬十月吉日」等の年号が刻まれている

青面金剛像には「明和四丁亥(1767)十月吉日」等の年号が刻まれている

六地蔵は三面に二体ずつが彫られている

「地蔵尊」の額は前面が地衣類の着生で岩相が全く確認出来ない。「慶応四辰(1868)四月」の銘が有るので材質を確認したいが、わが師は、石切り場でも壁面を叩いたり、表面を削るのを全く許さない方なので、私も教えを守って諦める。

殆どが安山岩を用いた物なので諦めていたら、五輪塔と宝篋印塔の中間の様な石塔が伊豆の軟石で造られていた。

素材は細工物に適した所謂「みどり」と言われる斑状の凝灰質組織を持って、稀に小豆色の火山小礫を含む凝灰岩。この材質は、お隣の「香取神社」では御神灯に使われている。
続く

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