井内石の石碑分布を調べながら、石材産地によって石材の使われ方が面白いなと思っているのだが、最近気付いたのが「富士塚」・「浅間塚」・「御嶽山」等、山岳信仰の記念碑的な築山の石材の事。この築山は実は私にとって「宝の山」で、信仰の皆様には失礼な話しかもしれないが、この築山には割れてしまった石碑とか、文字が読めなくなった石碑、あるいは神社の改修を機に不要になった礎石などが良く組み込まれていて、改修済の神社等で凝灰岩質の石材を探す時には重要な場所になっている。
最近、千葉の北西部の野田市付近と、江戸川の対岸の春日部や杉戸等を歩いていると、この小山のてっぺんに置かれている石碑が緑色岩が多いのです。富士塚・浅間塚の場合は千葉県内では根府川石か井内石が多く、関東地方ではこれが代表的な石材だろうと思い込んでいたのですが、枕状溶岩や緑色岩、あるいは秩父系の緑色片岩が多い事に気付きました。
「埼玉スリバチ学会」の皆さんに連れて行って頂いた幸手市・雷電神社「御嶽山」
山頂に建つ「御嶽山」の石碑は緑色片岩
野田市中里・三社大権現神社「浅間塚」。この神社にはもう一つ「御嶽山」も存在する。
浅間大神」の石碑も緑色片岩。
野田市平井・香取神社の「浅間塚」光ってしまっているがこれは緑色岩。
松戸市根本・金山神社「浅間塚」の根府川石製石碑。この石材が房総半島では多い。
この築山では、不要になったらしい根府川石や、筑波山麓の黒雲母片岩を用いた「下総型板碑」も裏返しにされて使われたりする。
中には伊豆下田付近の石灰質生物遺骸を大量に含む石灰質凝灰質砂岩や、伊豆軟石の切石が置かれている。隣接する神社には痕跡は全くない!のです。
神社を歩いて凝灰岩を調べている序に、並行してこのような築山の主要な石材をチェックするのも面白そうな気がしてきた。
ちなみに、ここ数年間で埼玉・千葉・茨城・東京・神奈川の71市町村・区の604箇所の神社を調査しました。でもこの地域には少なくとも後、3080もの神社が私の「訪問」を猪やマムシ等と共に待っていてくれてます。ほんの偶にですけどね!
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