2017年9月24日日曜日

高麗 古民家園:チャート主体の石垣

機会を得て高麗の巾着田付近を歴史や地形に強い関心を持つ方々と歩く事が出来ました。
その中で、巾着田の傍に立地する古民家が公開されているので拝見させて頂いた。しっかりしたチャート岩塊を用いた石垣が私の興味を惹いたので少しご紹介したい。
チャート主体の石垣の一部分

最上段には大きな層状チャートの岩塊が並べられていた。

チャート以外には緑色岩も色々と、最初は綺麗な緑色岩。溶岩のぶぶんであろう。

これも緑色岩なのだが、石灰石の脈の部分が溶脱して隙間になって居る。こちらは昔の「輝緑凝灰岩」風。といっても、空中に飛散した「火山灰」では無く、「水冷破砕の灰阿ロクラスタイト」の方だと思われる。

一見、頁岩の様に見える部分もあるのだが、どうやらこれも、溶岩の小岩塊を交えた緑色凝灰岩らしい。前の画像と同様、石灰岩が溶脱している。

バス停に近い民家の石垣と比べると玉石の形状と岩質が明らかに異なる。古民家の方は「民家」といっても地元の有力者の住宅なので登録文化財になった時点で洗浄等も行われている可能性を加味しても、角ばった部分が多いチャートが殆どだが、左手の民家の方は、明らかに玉石が丸みを帯びている。チャートがこの高麗川程度の流れでこれだけ円摩される事も無いし、緑色岩が多いので、恐らく群馬県の渡良瀬川や利根川の河原で採掘された玉石が用いられているものだと思われる。

高麗川の河床では、チャートが優勢で、砂岩も見られるが、神社の礎石には圧倒的にチャートが多かった。

以上

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