九十九里浜から少し内陸側にはいって段丘に至る境目に、少々巨大だが不均質な炭酸塩コンクリーション(ノジュール)とでも言いたい様な少々不思議な岩石で構成されている部分が有る。この付近を産総研のシームレス地質図でチェックすると「中期更新世(Q2)の海成または非海成堆積岩類= 約70万年前~15万年前に形成された地層」と書かれているのだが、主要産出地には「付近ではあまり見られない硬い岩石で、これは沖積世の縄文海進により、この丘が海岸線に面した時、石灰質の物質の浸透により固結した沖積世の凝灰質砂岩である」と千葉県教育委員会と山武市教育委員会名の説明版が建てられている。
図はその岩石を石碑の礎石として使用している例で、東金市松之郷に立地する八坂神社の境内に在る。石碑の部分は宮城県石巻市産出の「井内石」。碑は「八坂神社参宮道路改修記念碑」石碑部分の高さ: 218 cm, 幅:100 cm, 厚み: 15 cm。昭和五(1930)年の建立である。
礎石部分を位置を変えながら観察してみよう。先ずは背面。
左側面
背面の際立つ凹所
比較的滑らかな側面
次回に、この産地での性状をご紹介するが、この様に自然な状態で板状ではあるが、不均質なので、切石として切り出して礎石などに使用する事は難しいので、この用途は殆どこのような石碑の礎石や、庭石に限られているらしいが、使用例を見掛けるのは珍しいので取り上げてみた。
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