GVPの火山活動情報の概要をご案内します。
Activity for the week of 2 August-8 August 2017
New Activity/Unrest
Piton de la Fournaise | Reunion Island (France) | 233020 | Elevation 2632 m
7月14日に始まった噴火は8月8日まで続き、火山性微動と地表での活動はゆっくりと低下しました。衛星画像データでは、溶岩流は少なく見積もって毎秒1-2立方メートルと想定され、活動中の溶岩流は火砕丘から520mの地点で確認されますが、大部分の溶岩流は溶岩チューブを流れているものと思われ、8月5日に溶岩チュウーブは数か所でブレークアウトが確認され、溢れ出した溶岩流は数時間に数百メートル伸びています。
8月7-8日には、北側の山腹に在る幾つかの火口から少量の噴出物が放出されました。
Sangay | Ecuador | 352090 | Elevation 5286 m
8月3日に公表された特別報告では、新しい噴火活動が8か月の休止期間を経て、7月20日に新しい噴火活動が始まりました。噴火活動は火口縁上空3km程度まで火山灰を噴出する小規模の噴煙活動で、白熱岩塊は東南東側山腹を1km余り転落し、溶岩流も下っています。少量の降灰が西側の無人の地域で観測されています。7月20日と8月2日には火口上空2.3-3 kmまで上昇する噴煙が観測されています。8月2-3日には東南東側の山腹で線状に並んだ無数の熱異常が観測されています。8月6日の噴煙は諸条件から西側に広がったと想定されています。
Sangeang Api | Indonesia | 264050 | Elevation 1949 m
衛星画像等のデータから8月7-8日に少量の火山灰の噴出が有り、高度2.4kmで西南西に広がった事が報告されました。
Sinabung | Indonesia | 261080 | Elevation 2460 m
8月2日の0800から1200に掛けて爆発的な噴火活動が発生し、火砕流は17回発生し東南東に4.5kmまで広がりました。火山灰を含む噴煙は火口上空4.2kmまで上昇し南に広がり、以下の地域に降灰をもたらしました:erbaji (4 km SW), Sukatendel, Temberun, Perteguhen (7 km ESE), Kuta Rakyat (5 km NE), Simpang Empat (7 km SE), Tiga Pancur (6 km SSE), Selandi (5 km SSW), Payung (5 km SSW), and Kuta Gugung (5 km N).特に大量の降灰が以下の地域で観測されました:Ndokum Siroga (9 km ESE), Gajah (8 km E), and Naman Teran (5 km NE).この地域では2,038家族、7,214名が8か所のシェルターに退避し、更に2,863名が難民キャンプにいます。ウエブカメラと衛星画像等のデータ解析から8月6-7日には複数の火山灰を含む噴煙が高度5.5kmに達し東寄りの方角に広がった事が報告されました。警戒レベルは1-4段階の4を維持しています。
Ulawun | New Britain (Papua New Guinea) | 252120 | Elevation 2334 m
衛星画像等のデータ解析から、8月4-8日に火山灰を含む噴煙が、高度2.4-2.7 kmに達し、西よりの方角に広がった事が報告されました。
Ongoing Activity
Bagana | Bougainville (Papua New Guinea) | 255020 | Elevation 1855 m
衛星画像等のデータ解析から、8月5-8日に火山灰を含む噴煙が高度2.1kmで様々な方角に広がった事が報告されました。
Bezymianny | Central Kamchatka (Russia) | 300250 | Elevation 2882 m
クベルトに拠れば、7月28日から8月4日の間、連日熱異常が観測されました。溶岩流は相変わらず溶岩ドームの西側山腹を流れ続けています。カラーコードはオレンジを維持しています。
Bogoslof | Fox Islands (USA) | 311300 | Elevation 150 m
8月2-6日の間は曇りがちの天候で衛星画像でも地震観測や空振観測でも特段の噴火活動を観測する事は有りませんでした。
8月7日の1000時(現地時間)に爆発的噴火が発生しその後一時間以上に亘って地震活動が活発化しました。パイロットからの報告では火山灰の噴煙は高度9.8kmに達し、カラーコードはレッドに引き上げられました。噴火は3時間後に終息しましたが、これは2016年12月に今回の一連の噴火活動が始まって以来最も長い噴火継続時間でした。1341時の報告では、火山灰を含む噴煙は連続した噴煙として火山から南に広がり続けました。8月8日にカラーコードはオレンジに引き下げられました。8月8日に得られた衛星画像(残念ながら未公開)では、火山島は北側に大きく張り出し、噴火口の周囲には新しい火口湖が形成されている様です。
⇒日本時間8月10日午後のAVOの情報では、現在も小規模の噴火状態が継続しているとの事です。
Cleveland | Chuginadak Island (USA) | 311240 | Elevation 1730 m
8月7日の“AVO”の報告に拠れば、山頂火口での溶岩ドームの成長は前の週に比べて速度を落としたか停止している様に思われるが、予断を許さない状況です。山頂火口での温度上昇は衛星画像で確認されており大量の水蒸気が8月7-8日のウエブカメラで確認されています。カラーコードはオレンジを維持しています。
Copahue | Central Chile-Argentina border | 357090 | Elevation 2953 m
7月16-31日に掛けて、表面的な噴火活動は減衰しています。“El Agrio”火口から、突発的な、280m程度の高さまでの火山灰の噴出を伴いながらも定常的な火山ガスの噴出がウエブカエラで記録されています。天候の良い夜間には火口付近に火映現象が観測されます。カラーコードはイエローが維持されています。
⇒この火山のウエブカメラを探していますが、古いものや休止中のカメラばかりで探し出せていません!
Dukono | Halmahera (Indonesia) | 268010 | Elevation 1229 m
衛星画像等のデータ解析から、8月2-5日と7-8日に火山灰を含む噴煙が高度1.8-2.1 kmに達し様々な方角に140km余りまで広がった事が報告されました。
Ebeko | Paramushir Island (Russia) | 290380 | Elevation 1103 m
クベルトに拠れば衛星画像で弱い熱異常が7月31日以降に観測されています。火山の北東90kmで作業中の火山学者が8月1日に、火山灰を含む噴煙が高度1.6kmまで上昇した事が報告されました。カラーコードはオレンジです。
Fuego | Guatemala | 342090 | Elevation 3763 m
8月4日に火山の活動が活発化し、白熱岩塊を火口上空300mまで噴出し、溶岩は南南西の渓谷を600m下りました。爆発で生じた火山灰を含む噴煙はおよそ1km上昇し西寄りに12km程度まで広がりました。8月5-6日の間の複数の噴火で生じた噴煙は火口上空850mまで上昇し西に10kmまで広がりました。幾つかの噴火の際には衝撃波が生じて近隣の家屋を揺るがせました。白熱岩塊は火口縁上空100mまで放出され、多数の渓谷まで流れ下る岩屑雪崩を引き起こしました。風下の“Sangre de Cristo (8 km WSW) and Yepocapa (8 km WNW)”では降灰が有りました。溶岩流は渓谷を600m下りました。爆発的活動は7日に更に強烈になり、火山灰を含む噴煙は750m上昇し西側に10kmほど広がりました。
火山弾は火口上空150mまで噴出し、200m離れた地点に落下しました。衝撃波は相変わらず近隣の家屋を揺らしました。8月7-8日には二ヶ所の溶岩噴泉は150mまで噴出し、この火山の2017年の7番目の噴火活動の始まりを予感させました。溶岩噴泉から流れ出した溶岩流は長さが1.5kmと700mです。
Karymsky | Eastern Kamchatka (Russia) | 300130 | Elevation 1513 m
クベルトに拠れば、衛星画像で熱異常が8月1-3日の間観測され、3日には火山灰を含む噴煙が東南東に30kmまで広がりましたカラーコードはオレンジです。
Kilauea | Hawaiian Islands (USA) | 332010 | Elevation 1222 m
⇒溶岩湖や61G溶岩流の活動には特段の変化が無く、オーシャンエントリー中の溶岩三角州の沈下と海岸に平行な亀裂の拡大は続いています。
7月28日には、溶岩三角州のごく一部が太平洋に崩落した事を踏まえて、大規模な溶岩三角州の崩落の可能性が有ると警告しました。
Klyuchevskoy | Central Kamchatka (Russia) | 300260 | Elevation 4754 m
クベルトの報告に拠れば火山灰を含む噴煙は衛星画像で確認されており、8月2日には南西に65km、3日には東南東に250kmまで広がっています。カラーコードはオレンジです。
Langila | New Britain (Papua New Guinea) | 252010 | Elevation 1330 m
衛星画像等のデータ解析から、8月7日に火山灰を含む噴煙が高度2.1kmに達し北西に55kmまで広がった事が報告されました。
Manam | Papua New Guinea | 251020 | Elevation 1807 m
衛星画像等のデータ解析から、8月5-6日に少量の火山灰を含む噴煙が高度1.8-2.1 kmに達し北西から西に広がった事が報告されました。
Poas | Costa Rica | 345040 | Elevation 2708 m
8月3日の報告に拠れば、マグマ由来の火山ガス、水蒸気、アエロゾルは相変わらず“A火口:Boca Roja”から、水蒸気と豊富な黄色の微粒子形状を示す自然硫黄の粒子は“B火口:Boca Azufrada”から上昇しています。噴煙は火口から上空1km程度まで上昇し南南西に広がっています。夜間にはウエブカメラにより火口底の火映が観測されています。最近の観測では、亜硫酸ガスが連日日量1,000-1,500トン余り噴出しており、この量は4月と5月の水蒸気・マグマ爆発が起こる前の2017年当初の観測地と同様な値です。火山ガスの噴煙は8月8日までは南西側と北西側の火口から連続して上昇しています。
Sabancaya | Peru | 354006 | Elevation 5960 m
7月31日から8月6日までの活動状況は、前の週に比べて火山活動は激しさを増しており、一日に65回以上の小さな噴火を発生しています。地震活動は長周期のものに限られており、ハイブリッドイベントと微動は減少しています。火山ガスと火山灰を含む噴煙は火口縁上空4kmに達し30km程度北や南東に広がっています。亜硫酸ガスの噴出量は8月2日の観測では日量で2,254トン程度です。
Sheveluch | Central Kamchatka (Russia) | 300270 | Elevation 3283 m
クベルトに拠れば、7月28日から8月4日の間衛星画像で熱異常が観測されています。8月4日の強烈な爆発で発生した火山灰を含む噴煙は高度6.5kmに達し東南東に広がりました。カラーコードはオレンジです。
以上
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