GVPの火山活動情報の概要を御案内します。
Activity for the week of 16 August-22
August 2017 New Activity/Unrest
Kanlaon
| Philippines | 272020 |
Elevation 2435 m
6月24日から8月18日の間に244回の火山性地震を観測しています。報告では地震活動の活発化は山頂火口での水蒸気爆発の可能性を示唆します。2017年に入ってから観測された脱ガスあるいは噴気は無いので、警戒レベルは0-5段階の“1”に引き上げられました。半径4km以内は立ち入り禁止です。
Pacaya
| Guatemala | 342110 | Elevation
2569 m
8月20-22日の間、ストロンボリ式噴火がパカヤ火山の“Mackenney”火砕丘で発生し、火口縁の上空75mまで噴石を吹き上げ、山腹に落下し西側の山腹で岩屑雪崩を引き起こしました。
San Cristobal | Nicaragua
| 344020 | Elevation 1745 m
報道に拠れば、8月18日の0518時に、火山に近い“ La Grecia, and the
municipalities of El Viejo (18 km WSW) and El Realejo (25 km SW).”等から降灰の報告が有りました。衛星画像等の解析から、小規模の火山灰を含む噴煙が発生し北西に広がった事が報告されました。この日遅くに火山灰を含む火山ガスが火口縁の上空300mに達し、北西に広がりました。衛星画像で確認された火山灰を含む噴煙は西に265kmまで広がりました。地震活動は活発で、この日は水蒸気と火山ガスの噴出が続きました。
Sangay
| Ecuador | 352090 | Elevation
5286 m
衛星画像等のデータから火山灰の噴出が続いている事が報告されました。8月16日には火山灰を含む噴煙は西に広がりました。7月17日には火山灰を含む噴煙は高度8.2kmに達し北西に広がり、更にこの日は噴煙の噴出がありました。19-20日には火山灰を含む噴煙は高度5.8 km まで上昇し、南西あるいは西に広がりました。20日にも衛星画像で熱異常が観測されています。
Ulawun
| New Britain (Papua New Guinea)
| 252120 | Elevation 2334 m
衛星画像等のデータ解析から、8月17-18日に、火山灰を含む噴煙が高度2.7km まで上昇し西に広がった事が報告されました。
Ongoing Activity
Aira
| Kyushu (Japan) | 282080 |
Elevation 1117 m
気象庁に拠れば、8月18-21日の間に26回の噴火が発生し、このうちの一つでは噴火は爆発的で、噴石は500m以上まで噴出し、火山灰を含む噴煙は火口縁の上空1.7kmに達しました。警戒レベルは5段階の3です。
Bezymianny | Central Kamchatka (Russia) | 255020 | Elevation 2882 m
クベルトに拠れば、衛星画像により8月11-18日の間は連日熱異常が観測されました。溶岩流は溶岩ドームの西側山腹を流れ続けており、夜間には溶岩ドームの火映が観測されます。カラーコードはオレンジです。
Bogoslof
| Fox Islands (USA) | 311300 |
Elevation 150 m
8月15日に航空機から撮影された画像に拠れば、8月7日の噴火直後は乾燥していた噴火口付近は再び海水で満たされています。8月16日には地震活動も衰え、少なくとも8月18日現在も低レベルの状態が続いています。衛星画像では8月19-20日に、火口を満たした海水が暖かくやや表面温度が上昇している事が確認されています。8月21日に取得された衛星画像データでは、火口湖内の1992年に形成された溶岩ドームの西側ににおよそ直径125mの溶岩ドームが観測されています。低温の火山性の噴気が溶岩ドームから発生し島の南55kmまで広がっています。8月22日の0410時に、空振観測から複数回の小規模の噴火が観測され溶岩ドームは直径160mまで成長しています。カラーコードはオレンジです。
⇒8月15日に撮影された画像は下記。二枚の画像のフルサイズデータは9MB前後です。
Cleveland | Chuginadak Island (USA) | 311240 | Elevation 1730 m
8月17-21日の間も衛星画像で地表面温度の上昇が観測されています。山頂からの小規模の噴気はウエブカメラと衛星画像で20-21日も確認されています。22日には、8月22日1043時に、1分間の小規模な噴気が発生した事が、地震観測と空振観測から確認されています。カラーコードはオレンジです。
Dukono
| Halmahera (Indonesia) | 268010
| Elevation 1229 m
衛星画像等のデータ解析から、8月16-22日には火山灰を含む噴煙が高度1.8-2.1kmまで上昇し様々な方角に広がった事が報告されました。
火山灰を含む噴煙は17日には150kmまで広がりました。
Fuego
| Guatemala | 342090 | Elevation
3763 m
2017年の8回目の噴火活動が8月20日に始まりました。一定の規模の噴火が続き、火山灰を含む噴煙は火口上空2.3 km まで上昇し、西あるいは南西に50kmまで広がりました。降灰は風下の以下の地域から報告されました:Panimaché I (8 km SW), Morelia
(9 km SW), Santa Sofía (12 km SW), El
Porvenir (8 km ENE), Sangre de Cristo (8 km WSW), and Yepocapa (8 km WNW). 二つの溶岩噴泉が夫々300m吹き上げ、南南西の渓谷に溶岩流を送り出し、1.4km流れ下りました。白熱岩塊の岩屑雪崩が火口付近で発生しました。複数の爆発的噴火の際に衝撃波が発生し、家屋を震わせます。地震活動は8月21日に収まりました。弱い噴火が発生し噴煙を1km程度上昇させ、20km程度広がっています。噴火により浮遊する火山灰と火砕流が観測されています。溶岩流は“ Ceniza
ravine ”渓谷を200m、“ Santa Teresa
ravine”渓谷を100m下りました。報告書では火砕流は“Santa
Teresa ravine”渓谷に集中しており、5月5日と同じように堆積物が渓谷を閉塞し、ラハールが発生しかねないと警告しています。降灰が“San Pedro Yepocapa (8 km N) and Chimaltenango (21 km NNE)”で発生しました。8月22日に48時間後には噴火は収束するであろうことを報告しました。爆発的噴火で火山灰を含む噴煙は1.2km上昇し南西に広がり、近隣の家屋を震わせました。高温岩塊は火口縁の上空200mまで噴き上げられました。
Karymsky
| Eastern Kamchatka (Russia) |
300130 | Elevation 1513 m
8月11日に、衛星画像で熱異常が観測され、火山灰を含む噴煙は8月12-13日に南東に400kmまで広がりました。カラーコードはオレンジです。
Kilauea
| Hawaiian Islands (USA) | 332010
| Elevation 1222 m
⇒特段の状況変化は無い様子ですが、8月19日2135時に汀での爆発が発生し、飛散したスパッターは海岸の崖の高さ(およそ28m)を越えて飛散しました。HVOの火山学者は8月21日も同様な爆発を観測しています。
⇒HVOのサイトに汀線での爆発を示す画像があります。
Klyuchevskoy | Central Kamchatka (Russia) | 300260 | Elevation 4754 m
クベルトに拠れば、8月11-12人15-17日に、衛星画像で火山灰を含む噴煙が確認され、東あるいは北西に315kmまで広がった事が報告されました。カラーコードはオレンジです。
Langila
| New Britain (Papua New Guinea)
| 252010 | Elevation 1330 m
衛星画像の解析から、8月16日に火山灰を含む噴煙が高度2.1kmまで上昇し北西に広がった事が報告されました。
Manam
| Papua New Guinea | 251020 |
Elevation 1807 m
衛星画像等のデータ解析から、8月21日に火山灰を含む噴煙が高度2.1km まで上昇し、北北西に広がった事が報告されました。
Piton de la Fournaise | Reunion Island (France) | 233020 | Elevation 2632 m
主として地震観測からの情報で、7月14日に始まった噴火活動は、8月16-22日も継続していますが、この処の天候不良で目視観測や衛星画像での観測が出来ない状態です。8月15日の夕方から地震活動が急激に活発化し、一時的に溶岩噴泉を生じた事がウエブカメラで観測されました。地震活動は、8月19日の夕方まで変動しつつも高いレベルが継続しましたが、縮小し安定しました。衛星画像では8月19日に溶岩の流量が低下している事が確認されました。
Poas
| Costa Rica | 345040 | Elevation
2708 m
8月22日1517時に火山灰を含む噴煙を生じ火口縁の上空300mまで上昇しました。
Sabancaya | Peru
| 354006 | Elevation 5960 m
前の週と同様に活動的な状況が継続しています。8月14-20日には連日平均41回の噴火が生じています。地震活動は長周期地震、少数のハイブリットな地震が記録されています。火山ガスと火山灰を含む噴煙は火口上空3.4kmまで上昇し南東に30kmまで広がっています。半径12km以内は立ち入り禁止です。
⇒最近ウエブサイトが改良され“Sabancaya”火山の熱画像を閲覧出来るようになりました。現地の夜間でも熱画像で噴火の状況を監視できます。下に示す様にかなり刺激的な色彩で迫力満点です。下記を開いて“ Cámara térmica”をクリックします。http://ovi.ingemmet.gob.pe/
Sheveluch | Central Kamchatka (Russia) | 300270 | Elevation 3283 m
クベルトに拠れば、8月11-18日の間、衛星画像で熱異常が観測されています。火山灰を含む噴煙は8月12日、15-16日に様々な方角に180kmまで広がっています。カラーコードはオレンジです。
Sinabung
| Indonesia | 261080 | Elevation
2460 m
4月から成長を続けた火口内の溶岩ドームは8月2-3日の噴火で破壊されました。ドームは推定 230万立方メートル(2.3 million cubic meters)まで成長していたと思われましたが、8月6日の測定では新しい溶岩ドームは23,700立方メートルでした。地上からの観測から、8月16日には火山灰を含む噴煙を高度2.7kmまで上昇させ東南東に広がりました。
Suwanosejima | Ryukyu Islands (Japan) | |
Elevation 796 m
気象庁の報告に拠れば8月19-20日に爆発が発生しました。
Turrialba | Costa Rica
| 345070 | Elevation 3340 m
8月21日1012時に爆発的噴火が発生し、火山灰を含む噴煙が火口縁の上空200mに達し北西に広がった事が報告されました。
以上
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