2017年7月3日月曜日

木下貝層の石材利用 (1) ウニの内面の方解石

木下層と云う地層は房総半島の北部に広く分布しており、私の住んでいる柏にも広がっている事が、産総研の5万分の1地質図に書かれている。勿論、私もその木下層の住人である。この木下層には、大量の貝化石が分布していて、特に印西市の木下を中心に石灰化で固結した貝化石層が広く分布している。中には美しい方解石の結晶を見せるものも在る。
木下層の石材の話しに入る前に、一回だけ方解石の結晶画像を御案内します。

たまたま、調査の為にチョット邪魔になった固結体をほんの少し横に移動しようとしたところ、ポロリとこの塊が本体から外れて落っこちてしまった。しまったと思いながら元の位置に嵌めこもうとしたら、この不思議な形状が見えたので埃を拭って良く見ると

薄板状の結晶が二列。ブロック状の結晶がその両サイドに並んでいるのが見えて来た。
この結晶の配列は、化粧が晶出したウニの内面構造に影響されているかもしれないと考えて、後日、別の露頭で同じ仲間のウニの固結していない化石に出会えたので撮影したのが下の画像。

更に拡大すると

なるほど、このウニの内部構造にしっかり方解石の結晶の成長が制御されているのか!
と実に面白い観察をする事が出来た。
木下層内の貝層の細かな観察は今回のみ。次回からは石材としての利用状況と幾つかの露頭をご紹介する。但し、余り交通便利な場所では無い。

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