GVPの火山活動情報の概要を御案内します。
Activity for the week of 31 May-6 June 2017
New Activity/Unrest
Bulusan | Luzon (Philippines) | 373010 | Elevation 1565 m
6月5日1029時に小規模の12分間に亘る水蒸気爆発が発生した事が地震観測網に記録されました。噴火は濃密な雲に阻まれて目視では観測出来ませんでした。少量の降灰と硫黄臭と鳴動音が“barangays Monbon and Cogon in Irosin”から、硫黄臭は“barangay Bolos, Irosin”から報告されました。警戒レベルは“1”を維持していますが、半径 4 km 以内の危険区域には立入禁止です。
Copahue | Central Chile-Argentina border | 35700 | Elevation 2953 m
6月4日に、普段より火山灰の噴出量が増加した事が WEBカメラで捉えられました。地震観測網で観測されている地震の数や強度には変化が見られません。報告では、天候の悪化により目視観測が行われなかったので、火山灰の噴出が6月4日の早朝から始まったのか、その前からだったのかは判らないとされています。警戒レベルは4段階の2番目に相当するイエローに引き上げられました。火口から 1 km 以内には立ち入らぬよう勧告しています。
Karymsky | Eastern Kamchatka (Russia) | 300130 | Elevation 1513 m
6月4日の0040時に爆発的噴火が始まり、火山灰を含む噴煙は高度 3 km に達し、北東に 40 km まで広がりました。カラーコードはオレンジに引き上げられ、4時間後には火山灰を含む噴煙は高度 2 km に達し東北東に 85 km まで流れ、5-6日には高度 4 kmで東に流れました。
Marapi | Indonesia |263250 | Elevation 2891 m
6月4日の1001, 1011, 1256, and 1550時に1分程度の短い4回の爆発が発生しました。濃密な火山灰を含む噴煙は火口上空の夫々、300 m, 少なくとも 700 m, 200 m, 及び 250 mの高さに達しました。噴煙は東に広がり、噴出した火山弾は火口周辺に堆積しました。地震活動は噴火後に活発化しました。少量の降灰が南南東に 8 km離れ“Pariangan”地区と“Tanah Datar Regency”から報告されました。警戒レベルは1-4段階の2を維持しています。山頂から 3 km以内は立入禁止です。
Sheveluch | Central Kamchatka (Russia) | 300270 | Elevation 3283 m
クベルトに拠れば、5月の26-27日と31日に強力な噴火が発生し、火山灰を含む噴煙が高度 8 km に達し、東南東に 550 km、あるいは西南西に 650 km まで広がりました。5月26日から6月2日までの間、衛星画像では熱異常が観測されています。カラーコードはオレンジのままです。
Ongoing Activity
Aira:桜島 | Kyushu (Japan) | 282080 | Elevation 1117 m
⇒気象庁の噴火に関する観測報を参照下さい。
http://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/STOCK/volinfo/gensho.html
週間火山概況(6月2日~8日)が公表されています。
http://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/STOCK/weekly_report/2017/2017w23/2017w23.pdf
Bagana | Bougainville (Papua New Guinea) | 255020 | Elevation 1855 m
衛星画像等のデータ解析から、5月3日と5日に火山灰を含む噴煙が高度 1.5-2.1 km に達し西或は南東に広がりました。
Bogoslof | Fox Islands (USA) | 311300 | Elevation 150 m
10分間以内の極短い爆発が5月31日の1842時に始まった事が地震と空振観測から判明し、噴煙は衛星画像で高度 7.3 km に達し西北西に広がりました。噴火前には数時間の間微小地震が群発しました。地震は爆発の1時間前に減少し、観測限界付近以下に留まりました。亜硫酸ガスの噴煙が5月28日の噴火後に発生し、6月2日にはカナダの“Hudson Bay”に達して居る事が衛星画像から判明しました。ごく短時間の噴火が6月5日の0600時に発生し、火山灰を含む噴煙がパイロットにより観測されました。弱い火山性微動が6月5日の1229時に始まり直ぐに通常レベルに戻りました。付近を航行中の船舶からの報告に拠れば、大量の水蒸気と白煙が数千フイート上昇している事が報告されました。6月6日0600時には短時間の噴火が観測されました。この噴火では少なくとも 3 km 程度の小型の噴煙が発生した模様で、地震と空振により爆発が観測された直後には衛星画像では、噴煙が高度 1.8 km に達し、急速に拡散した事が観測されました。カラーコードはオレンジを維持しています。
Cleveland | Chuginadak Island (USA) | 311240 | Elevation 1730 m
5月31日から6月5日の間、地震、空振、や曇り勝の気象状態で衛星画像では特段の活動は認められませんでした。天候の回復した時間帯にはウエブカメラで水蒸気の噴煙が確認されました。6月6日の0939時に山腹に設置した地震観測ステーションで小さな低周波地震が観測されました。この地震は溶岩ドームの成長に伴うものと思われましたが、目視では観測できませんでした。カラーコードはオレンジを維持しています。
Colima | Mexico | 341040 | Elevation 3850 m
6月2日の報告に拠れば、前の週に地震計は21回の高周波地震、14回の長周期地震、1.7時間継続の火山性微動、12回の地すべりで噴火は無し。5月25-26日には亜硫酸ガスの噴出は日量 35-51トンと低レベルで観測限界に近づいています。
Dukono | Halmahera (Indonesia) | 268010 | Elevation 1229 m
衛星画像などのデータ解析から、5月31日から6月6日の間、火山灰を含む噴煙が高度 1.8-2.4 km に達し、NW, W, SW, and E に広がった事が報告されました。
Ebeko | Paramushir Island (Russia) | 290380 | Elevation 1103 m
火山から東に 7 km のパラムシル島“Severo-Kurilsk”の住民からの報告に拠れば、爆発的噴火活動は5月25日から6月2日の間も続いています。カラーコードはオレンジを維持しています。
Fuego | Guatemala | 342090 | Elevation 3763 m
6月1日からフエゴ火山の活動が活発化し、一時間当たり6-7回の噴火が発生し、火山灰を含む噴煙は火口縁の上空950mまで上昇し西に広がっています。爆発に伴い衝撃波が生じ、Panimaché I and II (8 km SW), Morelia (9 km SW), Santa Sofía (12 km SW), El Porvenir, and Sangre de Cristo (8 km WSW)等の広い地域に亘り建物を揺らしています。白熱岩塊は火口縁の上空 500 m まで放出され、山腹に岩屑雪崩を引き起こしています。6月2日の爆発で生じた火山灰を含む噴煙は550-950 m 上昇し西或いは南西方向に 10-12 km まで広がっています。衝撃波が半径25 km 以内で観測されています。白熱岩塊は300-500 m の高さまで放出され、南南西、南西あるいは西側の渓谷に岩屑雪崩を発生させています。6月3-4日には、時間当たり2-4回の爆発が発生しました。火山灰を含む噴煙は 650-1,050 m 上昇し、西あるいは南西に8-10 km まで広がっています。弱い衝撃波が近隣の建物を揺らし、白熱岩塊の放出に起因する岩屑雪崩が渓谷を流れ下りました。4日に西側の渓谷で発生したラハールは、直径2mにおよぶ岩塊や木々の枝葉や樹幹を押し流しました。ラハールは幅 30 m でした。6月4-5日には、白熱岩塊が150 m の高さまで噴出し、溶岩流は 300 m 流れ下りました。6月6日に、今年5回目の噴火活動が終わった事が告知されましたが、溶岩流はSanta Teresa (2 km long) and Ceniza (3 km long)を流れ続け、爆発で生じた火山灰を含む噴煙は火口縁から950 m 上昇し西あるいは北西に広がりました。
Ibu | Halmahera (Indonesia) | 268030 | Elevation 1325 m
6月1日と5日に噴火により火山灰を含む噴煙が火口上空 150-250 m に達し、北あるいは南東に広がった事が報告されました。
Kilauea | Hawaiian Islands (USA) | 332010 | Elevation 1222 m
⇒状況に変化なく活発な活動が継続しています。5月31日に行われた野外観測では、海岸の溶岩三角州は 0.01平方キロに達し、固化した溶岩の傾斜面を溶岩チューブ通り三角州の崖に達しています。溶岩チューブの先端は崖から海側に100 m まで伸びています。詳細は下記画像を参照下さい。6月4日付けの画像がUPされています。
https://volcanoes.usgs.gov/volcanoes/kilauea/multimedia_chronology.html
Klyuchevskoy | Central Kamchatka (Russia) | 300260 | Elevation 4754 m
クベルトの報告に拠れば、衛星画像で弱い熱異常が5月27、30-31日と6月2日に観測されています。6月1-2日に発生した噴火では、火山灰を含む噴煙が高度 6 km に達し南南東に 400 km に達しました。火山灰を含む噴煙は“Petropavlovsk-Kamchatsky and Elizovo”を越えて広がりました。カラーコードはオレンジを維持しています。
中央に位置するBezymianny 火山用のライブカメラですが、噴煙を上げているのはこの火山です。
Langila | New Britain (Papua New Guinea) | 252010 | Elevation 1330 m
衛星画像等のデータ解析から、6月1日に火山灰を含む噴煙が高度 1.8 km に達し北あるいは北西に広がった事が報告されました。
Manam | Papua New Guinea | 251020 | Elevation 1807 m
悪天候でしばしば視界が遮られるものの、6月1-7日の間、白煙が時折南側と中央の火口から上昇しました。地震活動は低調で警戒レベルは“1”です。
Planchon-Peteroa | Central Chile-Argentina border | 357040 | Elevation 3977 m
5月17日の報告に拠れば、過去数か月にわたって地震活動の発生数とその強度は徐々に低下しており殆ど通常レベルに達しています。殆ど地上での活動観測されておらず、警戒レベルはグリーンに引き下げられました。北西に 68 km の“Curicó”、同じく北西に 75 km の“Romeral”あるいは北西に68 km の“Teno”等に出されていたイエロー警告は2016年7月1日から解除されまています。
Poas | Costa Rica | 345040 | Elevation 2708 m
報告に拠れば、火山性微動の回数とその強さは、しばしば大量の水蒸気や火山ガスと少量の火山灰を火口上空600 m まで噴出しながらも5月30-31日の間は低レベルから中レベルの間で変動しています。6月2日の1200に発生した噴火では水蒸気と火山ガスに少量の火山灰を含み火口上空 600 m まで上昇しました。別の1353時に発生した噴火は天候に阻まれて目視では確認できませんでした。6月6日の0856時に発生した噴火で発生した噴煙は 1 km 上昇しました。
Popocatepetl | Mexico | 3540tion 5426 m
5月31日と6月2日の両日の報告では、噴火回数は51回と78回でしたが、6月2-5日の間は連日144~276回の噴火が発生しました。噴火は5月31日から6月1日の間は一日1-2回でしたが、6月2-5日の間は天候が悪く目視確認はできませんでしたが一日当たり13-22回でした。6月3日の噴火で放出された物質は6月3日には火口上空 200 m まで上昇しました。夜間には火口部の火映が観察される日もありました。警戒レベルはイエローです。
Sabancaya | Peru | | Elevation 5960 m
前の週に比べてやや活発した模様で、噴火回数は日量で47回に及びます。5月29日から6月4日の間には一日に47回の爆発が発生しました。地震の傾向は、長周期地震に限られており、報告された地震の発生数と強さは低めでした。火山ガスと火山灰を含む噴煙は火口上空 3 kmに達し、東から南東に 40 km まで広がりました。“MIROVA”システムでは南東、北或いは北西側山腹に広がる熱異常を観測しています。6月3日に測定されて亜硫酸ガス濃度は日量で 1,703トンでした。
Sinabung | Indonesia | | Elevation 2460 m
衛星画像等のデータ解析から5月31日から6月5日の間も、火山灰を含む噴煙が高度3.4-5.5 km に達し様々な方角に広がった事が報告されました。
Turrialba | Costa Rica | | Elevation 3340 m
5月30-31日の間のこの火山の活動は低いレベルから中規模のレベルの間で変動していました。水蒸気、マグマ起源のガスに時折火山灰が混じる噴煙は火口縁の上空 300 m まで上昇する事無く北西に広がりました。6月3日の1930時に発生した噴火による火山灰を含む噴煙は300m上昇し南西に広がりました。
以上、
霧島連山・硫黄山の噴煙
浅間山の噴煙
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