JR内房線の車窓に館山湾が広がり始める位置に「那古船形」駅が在る。夫々1時間に1本程度の上り下りの電車が停車する小さな駅で、駅前広場は急角度に曲がる道を曲がる車の緩和曲線として走行されるので、下手に車を止める事が出来ない。この駅から25-6分、東京湾に突き出した大房岬に向かって歩くと途中の崖に地層の積み重なりを示す崖が見え「崖観音」が祭られている。
この付近は古い採石場跡地らしく、手掘りの採掘跡が残っている。街中にもこの石材を土台石や石垣に使用した例が残っているのだが、これは比較的最近に補修をしたらしい石垣。スケールに野帳を置いています。石垣の材質は、黒い玄武岩質スコリアが大量に含まれて居るので、平塚市博物館なら房州石」にひっくるめてしまいそうだが、房州石とは形成された地質年代と堆積環境が異なり一緒には出来ない。この付近(大房岬と)のその東に連なる地層は昔は「三浦層群鏡ヶ浦層」と呼ばれた地層で、新第三紀中新世から鮮新世の頃に堆積したらしい。今は房総半島では不整合の対比上三浦層群の名を使うのは好ましくないのだそうだ(富津地域の地質:13頁辺り)・・・
本筋から外れてしまった。大房岬に向かう道すがら見掛けた石垣。多分この付近の素材だろうと思う。残念なのはこの画像の右手、角を曲がると何故か嶺岡の枕状溶岩に突然変わる事。どうせ使うならもっと枕らしい枕状溶岩を使ってほしかった!
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