2017年9月19日火曜日

成東石 (3) 庭石や石碑の礎石に用いられた石材:露頭位置他

露頭の経緯度は“35.605108,140.408245”。これを地理院地図に摘要させると表示倍率を変えると最初の画像の地図が表示される。中心十字線の位置が、露頭の上に建つ懸崖造りの建物の位置。

背後の標高およそ38mの小丘にのみ、この石灰質凝灰質砂岩の地層が分布する(ので、天然記念物に指定された)。二枚目の画像は少し広い範囲を取り込んだ“mapYahoo”であり、白い矢印の先がこの小丘。当然、図の右下斜め方向に九十九里浜が存在する。

千葉は元々海底の地質なので、幾つか石灰質の凝灰質砂岩が存在する。銚子市の屏風ヶ浦に凝灰岩の幾つかの単層単位で石灰質になったのが「飯岡石」。古墳の石棺や板碑にも使われており、現在も旭市内の飯岡地区を中心に、石垣や石塀に使われたのが観察される。房州石の胎胚層の極一部が石灰質により固結したのが「高宕石」と言われて数多く採掘され利用されて来た。
三枚目の画像が、露頭のある城東山長勝寺:浪きり不動尊の山門と懸崖造りの社殿。僧行基が天平年間に難破船の海難除けとして不動尊を刻んだという。

四枚目は遥かな昔に崩落した固結部分の背後の崖とその上の懸崖造りの基礎部分。

五枚めは、恐らく2011年の震災で崩落した比較的新しい岩塊の例。

六枚目も遥かな昔に崩落した固結部の例。部厚い石灰岩の層状構造の一部が不可浸食されたと見るか、元々の地層の透水係数の大きな細砂層の中で、チョットした透水係数の差で(粒度分布やラミナや生痕化石などで)石灰質の沈着の状態に「差」が生じたと見るのか?面白い!

残念ながらこの「成東石」については研究が殆ど行われていない。最近、細々と調査を行っている前述の「高宕石」と「飯岡石」(この二つを急ぐ事情がチョットばかりあるので・・・)が一段落したら取り掛かりたいがそれまで生きていられるかどうか?あまり自信は無い。:取り敢えず(完)

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