その石蔵の傍に、県道26号線側の私有地にもう一棟の石蔵が在り、文書蔵のある場所からは上二段程度の部分の石材が観察出来ます。それがこの3枚の画像に示す石材です。
礎石と本体部分や玄関や窓などの部分は耐久性や美観の問題が在って、異なる石材を用いる事は普通に在る事なので珍しくはありませんが、大体本体は同じ石材で造るのが一般的だと考えています。
この石蔵でまず一番に見えたのが最上段の石材で、佐島石に良く見られる生痕なのか、堆積模様なのか判然としないくねくねとした模様です。
この画像のラベルを「三浦半島の佐島石」と設定したのですが、私は実はこの石材は三崎口から大根畑を西にまっすぐ歩いた先に在る「黒崎の鼻」付近で採掘された石材ではないかと考えています。佐島石の前述の特徴と、房州石で珍重される「桜目」の特徴が入り混じっています。
蔵を巡っても、現在の所有者は建設当時の事を御存じ無いケースが多いし、石材屋さんがどのように伝えているかも在って確認は出来ないのですが、露頭と石蔵の両方を観察して来ると、此の石材は「佐島石」として流通したかも知れないけれど実際の産地は別だろうな!と考えます。
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